2010年12月03日

ボストンIMATA国際会議(1)

  • 期間:2010年12月3日~12月9日
  • 場所:アメリカ マサチューセッツ州 ボストン
  • 目的:国際海洋動物トレーナー協会(IMATA)国際会議への出席
  • 担当:石川


今私はボストンにいます。
今回ペンギン担当である私がボストンで開催されるIMATA国際会議へ出席させていただいておりますのでそのお話をお届けします。

さてまずIMATAの説明が必要ですよね。
IMATAのHPから引用すると、
国際海洋動物トレーナー協会(略称IMATA)は海洋生物のトレーニング、展示、研究、ハズバンダリー、保護、教育を通して海洋生物学に携わる人々のコミュニケーションと相互協力、専門家としての意識をより向上させることを目的として設立されたました。
とあります。 そして
海洋動物のトレーナーが海洋動物に関する最新の知見、研究、その他の情報をトレーナー間で交換し、広めていく為のさまざまな機会を提供します。
とあります。

今回ボストンで開催されている国際会議はまさにこういった場となっており、世界各国の海洋生物トレーナーとそれにかかわる人々約 300人が一堂に会して、約 1週間、さまざまな意見交換をいろいろな形で行います。

しかし一方で、こういった場であるが故、IMATAのHPでは今回Drive Fishery Statementという声明文が出ています。
日本向けの声明文です。

IMATAのHPにはこういったことも記載されています。
IMATAは会員各自が海洋生物専門分野の代表として、一般社会から常に良き理解を得られるよう努めます。
会員の一人一人が、常にIMATAの目標を達成すること、専門家倫理の遵守に邁進し続けるような組織であるよう心がけます。
そして、全ての海洋動物に対して最も優れた効果的・人道的なケアを提供し、常にこれを改善していくことに努めます。

そんな中、日本からは学生3名を含む、計7名で出席しているのが今回の状況です。
改めて責任を感じるとともに、当館も“えのすいECO”を掲げている意味を再確認して臨まなければならないという認識を持ちました。

さてボストンは今、冬の始まり寸前というイメージで紅葉していれば、郊外が落葉で埋め尽くされていたのではないかと想像できるほど、葉のない木々が森をおおいつくしていて太陽があるのがわかるくらいの厚さの雲に覆われた空と雪がちらついてもおかしくないくらいの冷え込みです。

IMATA初日はコネチカット州の、ミスティック水族館への見学ツアーに参加してきました。

今回ミスティック水族館では、トド、ベルーガ、サメ、カリフォルニアアシカなどのトレーニングを実際におこないながら解説していただきましたが、その中でも私の担当するペンギンでは、ミスティック水族館から南アフリカにスタッフを送り、現地で繁殖育雛を行い、野生種へその技術提供しながら野生種から新しいペンギンを捕獲するのではなく、現地環境の中、人工下で繁殖した個体をアメリカ本土の水族館動物園へ送り、またアメリカ本土で繁殖した個体を逆に南アフリカへ送り野生へ戻すことなどを実践しているとのことで、スカイプセッションとして現地のスタッフと生でセッションし、参加者ともやり取りを行うという内容のものでした(ちゃんと訳せていない部分もあるかもしれませんが、ご容赦を・・・)。
日本もフンボルトペンギンの飼育羽数世界一の国です。
こういった試みを現地と実践できることは、きっと日本国内のフンボルトペンギン飼育トレーナーの希望であるとも思っています。

さて話は生き物からずれますが、日本でもスカイプは使用されている方も多いと思います。
IMATAの参加者も多く利用しているらしく、ビデオ会話では料金がかからず、アメリカと日本でも通話できるなど、携帯のパケット通信料を気にしている人には良いのかもしれません。

私も事前にこの情報を知ったので、通信関係にすっかり億劫になっていましたが、その機材をもってアメリカから息子の顔を見ながら会話することに成功しました。
ホテルにはラン回線がありますが、海外向けに成田で無線ランの端末貸出(有料)というのもあり、海外で活躍される方々は当たり前のことなのでしょうが、グローバル社会にまったくなじんでいない自分を実感できました。

さてあすからは会議です。
なるべく多くの情報とグローバルな意識を持って帰れればと思っています。

「トド」ハズバンダリー電動歯ブラシトレーニング「トド」ハズバンダリー電動歯ブラシトレーニング

ベルーガベルーガ

スカイプセッションスカイプセッション

ペンギン・アザラシ

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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