2013年04月06日

房総沖・相模湾初島沖(5)航海日誌 4月6日 5日目

  • 期間:2013年4月2日~2013年4月10日
  • 場所:房総沖・相模湾初島沖
  • 目的:船上飼育及び輸送方法の開発、シロウリガイ類などの化学合成生態系生物の化学合成生態系水槽における長期飼育及び行動観察
  • 担当:杉村


みなさん!こんにちは。

きょうで折り返しです。早いような、遅いような。
昨夜の地震計設置の後、房総沖から相模湾の初島沖に向かいました・・・が、なんと!またもやそこには台風並みの低気圧が待っているではありませんか!!
初島近くの伊東では強風を避けきれないため、我らが調査支援母船「なつしま」は、仕方なく東京湾に引き返す羽目に・・・
きょうの午前中には戻ってきました。

あしたからの西風を警戒して、八景島近くの沖まで来てアンカーをうって停泊しています。
そのおかげで、船内はとても静かで揺れはわずか、ほとんど感じません。
あしたもこのまま東京湾内で低気圧の通過を待つとのことです。

くうっー!残念!!
せっかくの航海が!!

でも深海調査に天候の運・不運はつきものですから、嵐は静かにやり過ごすにかぎります。

ということできょうは潜航調査はおこなわず、何をしていたのかというと・・・。
午前中は、いつものように水槽のチェックから始まり、水質管理などをおこない、午後からは実験のお手伝いとこれから予想されるサンプル搬入の準備をすることにしました。

実は、こんなこともあろうかと乗船するときに水族館からタッパー、パイプ、ノコギリなどいろいろと持ち込んでおきました。
船の甲板やコンテナラボの中で一人黙々とタッパーに穴を開け、パイプを切って取り付け、ボンドで接着・・・
2個ほど簡易濾過器を作りました。
後は、水族館から持ってきた「生きたろ材」を詰めるだけです。
原理さえ分かっていれば、100円ショップの材料や身近にあるもので簡単に自作できるんです。
(簡易濾過槽は、空気が水面に上がるときに生じる上昇流を利用して水を循環させます。タッパーの中に詰めたろ材に飼育水が通るように、空気の通るパイプをつけることで完成します。)
限られた水槽数と海水で管理するのは結構大変ですが、なかなか面白いですよ。
これで、サンプルが増えても大丈夫です。

ぜひ、あさってから天候が回復してこの簡易濾過器が効果を発揮しますように・・・
と願って、夜の事務処理に戻ります。
あしたは、風の影響で揺れが予想されるので標本サンプルの整理などもやってしまいたいと思います。
それではみなさん、陸の方も雨風ともに強いとの予報ですので気をつけてお過ごしください。

では、また次回。

自作の簡易濾過器自作の簡易濾過器

潜航を待つペイロード(搭載機器)満載のハイパードルフィン潜航を待つペイロード(搭載機器)満載のハイパードルフィン



海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT13-07JAMSTEC「なつしま/ハイパードルフィン」による房総沖・相模湾初島沖調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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