2016年11月16日

西部北太平洋調査航海(7)航海日誌7日目

  • 期間:2016年11月10日~11月25日
  • 場所:西部北太平洋
  • 目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」
  • 担当:杉村
波に打ち付けられる「よこすか波に打ち付けられる「よこすか


晴海埠頭を出港してから早くも1週間が経ちました。
「よこすか」は変わらず荒天回避中です。
昨夜から海上のうねりがひどく、船の揺れも左右に大きくなってきました。
居室のベッドで横になっているとゴロゴロ転がりそうで、なかなか寝付けないほどです。
不思議と酔いはなく、大きく揺れる船内で平衡を保つのに四苦八苦。
とても疲れます。


波に打ち付けられる「よこすか」

ブリッジに上がってみると「よこすか」の眼前には、大きくうねった太平洋が広がっていました。
天候はきのうと打って変わって雨空です。
キャプテンからは小型の低気圧の真ん中辺りにいて、波の高さは約4m、風速25mを越えているそうです。
(これ以上南下してしまうと、目的海域に着けなくなってしまうということ・・・ ヒェ~)
天気予報で波の高さが 4~ 5mと表示をみたりしますが、実際に体験してみるとかなり高いものですね。
時折、船首が沈んだかと思うと波に乗って今度は上に大きく跳ね上がります。
水平線が見えなくなるほどです。
次の瞬間!船首が下がると同時に船底が波に打ち付けられ、ドーッンとものすごい衝撃が船内に響きます。
船の底に穴でも空くんじゃないかと思うほどです。
あまりの衝撃と揺れで、備え付けのコップが落ちて割れてしまいました。

水槽をセットしてある冷蔵コンテナの中が心配になり、覗いてみると・・・ 特に問題はありませんでした。
セットされた水槽も海水もそのままです。「良かった・・・ (^_^)」
どうやら、冷蔵コンテナのある上甲板の格納庫内が一番揺れの少ない場所のようです。
私の居室は1つ上の階にありますが、階が1つ上がるだけで揺れ方がこんなにも違うんですね。


「よこすか」の船内図

こんなに海が荒れたときでも、コンテナ内のワムシをお世話はちゃんとやってますよ。
ワムシのお世話の後は、格納庫と同じ階にあって比較的揺れの少ない(と言っても机からマウスが落ちくらいは揺れてますけど・・・)第1ラボでこれまでに溜まった実験データをまとめることもやっています。
研究者のみなさんの中には、空き時間を使って論文を執筆している方もいるようです。

予報では 72時間後くらいには調査海域の低気圧が一旦は抜けそうです。
低気圧のおかげで大幅に予定を変更していますが、予報の通り何とか先に進めることをきょうも祈るばかりです。

では、またあした。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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