2018年11月20日

沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(6)航海日誌 6日目 (最終日)

  • 期間:2018年11月15日~11月20日
  • 場所: 沖縄中部トラフ
  • 目的:多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明 / 悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索
  • 担当:杉村
間もなく、下船です間もなく、下船です


みなさん!
早いもので、もうきょうで下船です。アッという間の6日間でした。
・・・ なんかいつも最終日はこんな書き出しだったような気が・・・ と思いつつも、相変わらずの速さで調査航海は終了しました。
陸が恋しいような、まだ船に乗っていたいような・・・ そんな気分です。

今朝は、日も上がらぬ朝早くから下船の準備です。
海上は風が強く、船はそこそこ揺れていました。
きのうの日誌にも書いたと思いますが、私の片づけはこれから。
まずは、生きているゴエモンちゃんたちを搬送する準備です。
発泡スチロールや保冷剤などを、せっせと冷倉庫のある部屋から持ち出しました。
海水の水温や数を計測しながら作業は進み、昨夜のうちに準備をしておいたお陰で、下船時間 9:00前には何とか片づけることができました。
これまでの乗船経験もあって、なかなか早く片付け準備が整いました。


搬出を待つ荷物たち

毎回、沖縄下船や前回の鹿児島下船などは、昼近くまでバタバタするんですが、今回はちょっとですがゆったり下船ができました。

今回の航海では、久しぶりの熱水噴出域を観るができたことはもちろんですが、3年前の航海の時と同じ場所での潜航調査でしたが、そこには新しいチムニーができていたりと、数年をかけて少しずつ変化していく深海の姿を実感することができた調査でした。
また、沈設した鯨骨のようすや 5,000mの深海の世界をLIVEで見ることができたことも収穫でした。

このように得られたゴエモンたちは、水族館では研究用にすべてに番号を付け、大きさと性別も記録して管理します。
※JAMSTECでは、全てのサンプルにID番号が付いていて、全て管理されているんです。
そして、“えのすい”ではJAMSTECとは別に、航海で得られたサンプルほぼすべてに飼育研究用に番号が付いています。
そうすることで、どの個体がいつどこでどのような方法で採集され、どのような研究をしたのかなどを記録することができ、研究の成果として残し、さまざまな研究会などで公表しています。
そして、その研究をもとに、さらなる研究をおこなうことができるようになります。
こういったことを研究者のみなさんと連携しておこなうことは、“えのすい”の深海チームの重要なミッションなのです。

さあ!水族館に戻ったら、さらに飼育日数を更新して未だ謎に満ちたゴエモンコシオリエビの生態を明らかにしたいと思います。
きょうまで6日間の間、私の航海日誌にお付き合いいただきましてありがとうございます。
次は、新江ノ島水族館の深海展示でお会いしましょう!

本航海KR18-15につきまして、大変お世話になりました「かいれい」乗組員のみなさま、「かいこう」運航チームのみなさま、そしてご乗船されました研究者のみなさまに、この場をお借りしまして感謝申しあげます。


いよいよ、沖縄を離れます


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KR18-15「かいれい」/「かいこう」 「多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明/悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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