2019年11月03日

豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(3)航海日誌 3日目/西川

  • 期間:2019年11月1日(金)~2019年11月8日(金)
  • 場所:鹿児島県硫黄島周辺海域
  • 目的:ドレッジやプランクトンネット、潜水による生物の採集および海洋環境調査
  • 担当:足立・西川
薩摩硫黄島薩摩硫黄島


航海3日目です。
天候は晴れ、この航海中は天気の心配はいらないなと浮かれていたら、なんと上陸する予定の薩摩硫黄島が噴火しました!
これは本当に驚きでした。
私は雨男ならぬ噴火男?“えのすい”でも話題になっていたようです。
噴火警戒レベルは「2」に引きあげられ、火口周辺規制となりましたが、船は無事に到着し、今も薩摩硫黄島の港で航海日誌を書いています。

さて、きょうの作業ですが、大きく分けて2つのことをやりました。
一つ目はドレッジです。
一日目にも実施した水底に沈めたネットを数分曳いて生物を採集する方法です。
今回は小さな石がたくさん採れ、その中からサンゴや貝を探し、研究へ利用します。
“えのすい”へ持ち帰れる生物は残念ながらいませんでした。


ドレッジ採集物

二つ目は潜水調査です。
噴火した硫黄島の周辺で潜水調査をしました。
大きな噴火をするんじゃないかとびくびくしていましたが、生物採集に夢中になっているとあっという間に時間が過ぎ、1時間以上潜っていました。
火山の近くなので海底からポコポコと無数の気泡(ガス)が出ていて、水底も床暖房のように温かいです。
この場所には面白い生態を持ったカニが生息しています。
今回はそのカニを目当てに潜っていましたが、無事に採集できましたのでそのカニについてはまた後日(水族館で?)説明しますね。


水底からの気泡

きょうはとにかく地球の力強さを感じる一日でした。
あすも潜水調査をおこなう予定ですが、大きな噴火がなくこのまま無事に帰れるといいなあと思っています。
今回採集できたカニは“えのすい”で展示すると思いますのでお楽しみに!

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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