2020年12月02日

西七島海嶺、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部 調査航海(8)

  • 期間:2020年11月25日(水)~12月12日(土)
  • 場所:西七島海嶺、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部
  • 目的:新たな海洋保護区(沖合海底自然環境保全地域)/管理のための深海を対象とした生物多様性モニタリング技術開発/日本周辺における沖合自然環境保全のモニタリング調査
  • 担当:八巻


航海8日目 ウツボ類 AUV登場

みなさんこんにちは!八巻です。
航海は残すところあと10日、折り返しも見えてきてしまいました。

今日も昨日と同じ海域で、引き続き調査を行いました。
今日の KM-ROVの潜航は 2回で、2回とも昨日設置したベイトカメラの回収が主な目的でした。
先日の日誌にも書かせていただきましたが、ベイトカメラ調査の目的は、ROVが接近する音で逃げてしまうような遊泳能力の高い生物や、岩陰に隠れてしまうような生物を観察することです。
この機器の設置回収は本航海で 2度目ですが、各海域で見られる生物の違いを明らかにすることもまた、目的の一つです。
今後の調査海域でも同様に行っていきます。
前回ベイトカメラの設置を行った海域は、今回の海域とそれほど離れておらず、また水深帯も似ているのですが、ROVの潜航でも観察した通り、生物相は異なるように思えます。
ベイトカメラに映る生物にもやはり違いがみられました。
前回の調査海域ではたくさん集まってきていたチゴダラの仲間がこちらでは全くみられず、黄色いきれいなウツボの仲間が頻繁に映り込んでいました。
そのウツボは私たちがベイトカメラを回収に行った時も近くの岩陰に隠れていて、ようすを見にきたのか、顔を出す姿はなんともかわいらしいです(下 写真 赤丸)。


ROVの潜航の間に本航海で初のAUV登場です!


かっこいいですねぇ。
AUVとは自律型無人探査機のことで、自動で海底まで行き、調査を行い、浮上する水中ロボットです。今回のAUVは海底近くでホバリングしながら特定の範囲の海底写真を撮影するという能力を持っています。
海底で撮影した写真をつなぎ合わせて1枚の大きな写真を作ることで、インターネットで見られる衛星写真のように、海底を俯瞰してみることができるのです。
それをもとに出現生物の多様性や生息密度を調べることも可能です。
初回となる今回はスムーズにミッションを終え、無事回収されました。


明日は次の調査海域、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部へ向けて回航します!
今日は夕日がとてもきれいだったので、謎のポーズで記念撮影をしてしまいました(笑)。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KM20-10C かいめい/KM-ROV 新たな海洋保護区(沖合海底自然環境保全地域)/管理のための深海を対象とした生物多様性モニタリング技術開発/日本周辺における沖合自然環境保全のモニタリング調査

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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