航海8日目 ウツボ類 AUV登場
みなさんこんにちは!八巻です。
航海は残すところあと10日、折り返しも見えてきてしまいました。
今日も昨日と同じ海域で、引き続き調査を行いました。
今日の KM-ROVの潜航は 2回で、2回とも昨日設置したベイトカメラの回収が主な目的でした。
先日の日誌にも書かせていただきましたが、ベイトカメラ調査の目的は、ROVが接近する音で逃げてしまうような遊泳能力の高い生物や、岩陰に隠れてしまうような生物を観察することです。
この機器の設置回収は本航海で 2度目ですが、各海域で見られる生物の違いを明らかにすることもまた、目的の一つです。
今後の調査海域でも同様に行っていきます。
前回ベイトカメラの設置を行った海域は、今回の海域とそれほど離れておらず、また水深帯も似ているのですが、ROVの潜航でも観察した通り、生物相は異なるように思えます。
ベイトカメラに映る生物にもやはり違いがみられました。
前回の調査海域ではたくさん集まってきていたチゴダラの仲間がこちらでは全くみられず、黄色いきれいなウツボの仲間が頻繁に映り込んでいました。
そのウツボは私たちがベイトカメラを回収に行った時も近くの岩陰に隠れていて、ようすを見にきたのか、顔を出す姿はなんともかわいらしいです(下 写真 赤丸)。
ROVの潜航の間に本航海で初のAUV登場です!
かっこいいですねぇ。
AUVとは自律型無人探査機のことで、自動で海底まで行き、調査を行い、浮上する水中ロボットです。今回のAUVは海底近くでホバリングしながら特定の範囲の海底写真を撮影するという能力を持っています。
海底で撮影した写真をつなぎ合わせて1枚の大きな写真を作ることで、インターネットで見られる衛星写真のように、海底を俯瞰してみることができるのです。
それをもとに出現生物の多様性や生息密度を調べることも可能です。
初回となる今回はスムーズにミッションを終え、無事回収されました。
明日は次の調査海域、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部へ向けて回航します!
今日は夕日がとてもきれいだったので、謎のポーズで記念撮影をしてしまいました(笑)。
JAMSTEC(海洋研究開発機構)KM20-10C かいめい/KM-ROV 新たな海洋保護区(沖合海底自然環境保全地域)/管理のための深海を対象とした生物多様性モニタリング技術開発/日本周辺における沖合自然環境保全のモニタリング調査
新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています