2021年03月09日

相模湾鯨類調査

  • 期間:2021年3月9日(火)
  • 場所:静岡県富戸沖(相模湾)
  • 目的:相模湾、東京湾に生息する鯨類種特定に関する研究
  • 担当:櫻木


みなさま、こんにちは。
世の中はまだ緊急事態宣言で慌ただしい中、フィールド調査チームも活動を止める訳にはいかないと、三密に気をつけ、相模湾に鯨類を探しにいってまいりました。

今回は大下、鷲見、花上、櫻木の 4名にて、静岡県は富戸の漁船「光海丸」さんに乗船。「光海丸」さんは、“えのすい”の魚類を担当するトリーターたちが魚の入手でお世話になっている方で、今回は鯨類目視調査のために特別に船をチャーターさせていただきました。

当日の天候は曇り時々晴、風はやや強く、沖合の波は2m。
目視調査の環境としては悪いともいえる状況も出航できるとのことでしたので、いざ相模湾へ。
調査した海域は数日前にカマイルカの群れが目撃されており、私たち 4名と船長が四方に目を向けます。
漁船からの目視は高い位置から見下ろすことが難しく、速く走ってしまうと鯨類を見逃してしまいやすいため、6ノット(時速/約 11km)で進みます。
そこに 2mの波がくると上下左右に揺れて船上はちょっとしたアトラクション状態に。
その中で時に双眼鏡を覗き、水面に目を配りますが、なかなか生物を捉えることができません。


はじめに確認できた生物は海鳥たち。荒ぶる波も気にせず水面を器用に飛んでいました。
「光海丸」さんの話によるとカマイルカの群れには鳥がつき、ハナゴンドウの群れには鳥はつかないのだとか。
種類による習性の違いなのか動物同士の相性なのか、その理由は分かりませんが、海鳥を追えばカマイルカの群れがいるかもしれないと、探し続けて5時間半。
しかし、今回は発見には至りませんでした。残念です。

ただし、嬉しかったことは海洋汚染の原因となっている漂流ごみも確認しなかったこと。夏には多く見られた漂流ゴミ、季節や海流の変化によってなのか、この時期も漂流ごみがないわけではありませんが、確認できなかったことは喜ばしいことです。

次回こそは鯨類を発見し、ごみは引き続き未発見としたいものです。


航路


富戸漁港

バックナンバー
2020/01/16 相模湾鯨類調査
2020/02/01 相模湾鯨類調査]

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

RSS