2023年08月22日

勢水丸 三重県沖生物採集(1)
航海日誌1日目 移動日
トラックでの移動のメリットとは!?/八巻

  • 期間:2023年8月22日(火)~8月25日(金)
  • 場所:三重県沖(熊野灘)
  • 目的:生物採集
  • 担当:八巻・黒川


みなさんこんにちは!八巻です。
今回はあすから熊野灘で深海生物採集をおこなう予定で、三重大学大学院生物資源学研究科 附属練習船「勢水丸」に乗船しています。

(写真1) 勢水丸(写真1) 勢水丸

今回乗っている勢水丸は、私が“えのすい”に入ったばかりのころに一度乗船して以来、約4年ぶりの乗船になります。今回は初乗船の黒川トリーターも一緒です。
きょうは船に乗船するための移動日で、一日中トラックを運転してきました!
わざわざトラックで!?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、最近は鹿児島に行ったり広島に行ったり、私たちが練習船に乗船する際、トラックで移動する方法をとっています。というのも、トラックで移動するメリットがたくさんあるからです。

1. 荷物の発送が必要ないこと
航海で使用する機材は小さな引っ越しをするくらいたくさんあり、これをトラックに積むと2tトラックの荷台は満載です!

(写真2) 航海の際に持ち込む荷物(写真2) 航海の際に持ち込む荷物

(写真3) 荷物を満載した2tトラック(写真3) 荷物を満載した2tトラック

 これらを送ろうとすると、梱包や宛先記入など、とても手間のかかる作業です。一方トラックであればただ積み込むだけなのでとても簡単です。

2. 通常発送できないような大きな荷物も運べること
今回ターゲットとする深海生物の飼育は、水温を下げてトリートすることが最も大切です。そこで使用するのが冷水機(写真2 手前)。輸送が難しい機械の一つです。
トラックであれば、輸送も簡単です。巨大なクーラーボックスも運べますし、航海で採れた深海の砂を持ち帰ることもできます。

3. 最も早く生き物を輸送でき、梱包の手間もないこと
生き物を運ぶには宅急便として送るより、自分でトラックを使って持ち帰る方が1日早く水族館に搬入することができ、生き物にとっても輸送によるストレスが最も少ないのです。
宅急便として発送するための梱包も非常に手間と時間がかかります。
今回は 200Lの大きなのクーラーボックス(写真4)をもってきていて、このクーラーボックスに採集した生物を入れて持ち帰ることで、広い生物キープスペースを確保できることから、より状態よく水族館に搬入することができるのです。

(写真4) 2000Lの大型クーラーボックス(写真4) 2000Lの大型クーラーボックス

このようにメリットだらけなトラックでの移動。唯一のデメリットがあると知れば、運転が大変ということでしょうか・・・ その点は、休憩をはさみながらトリーターが交代して運転をしています。しかし、私は車の運転が大好きなので、長距離であっても全くストレスなく運転することができます!
最近は鹿児島、広島と続いていたので、三重はむしろ近くて物足りなく感じたくらいです (笑

きょうは船内に宿泊し、あすは9時頃出港です!
今回もたくさんの成果を持ち帰れるように頑張ります!


三重大学大学院生物資源学研究科 附属練習船「勢水丸」(三重大学)での北里大学海洋生命科学部の乗船実習

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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