2023年08月23日

勢水丸 三重県沖生物採集(2)
航海日誌 2日目/黒川

  • 期間:2023年8月22日(火)~8月25日(金)
  • 場所:三重県沖(熊野灘)
  • 目的:生物採集
  • 担当:八巻・黒川


みなさんこんにちは!
きょうはいよいよ勢水丸出航の日です!
私は船の上でこんなに長く過ごすのは初めてなので、とても緊張していました。エレベーターでも酔うタイプだから、この 3日間トイレから出られなくなったらどうしよう…
みんなで船尾(船の中ではトモと呼ぶそう!)に集合し、どんどん離れていく陸を見つめます。

船がどんどこ進む中、朝ごはんを食べて、持ってきた水槽を組み立てていきます。

波が高いので、ロープでしっかり固定し、水槽が転倒するのを防ぎます。ロープの先がほどけていたので、八巻トリーターに末端処理の編み方を教えてもらいました!

クーラーも設置し、しっかり温度が下がっていくのを確認した後、目的のポイントまでは休憩時間です。体力温存のため、自室に戻って仮眠を取ろうと思っていましたが、目の前の海に圧倒されて、しばらく海を眺めていました。

見渡す限り全部海!
陸は一切見えず、波も一つ一つが大きいです。沖までくると海の色は深いブルーに変わりました。この広い海を見ていると、自分の存在がいかにちっぽけなのかが分かります。

その後、こちらの機械を使って、海底150m付近の水を採水し、水温、塩分などを測定します。

灰色の筒を6本ほどセットし、筒の上下の蓋を開けた状態で海底に落とします。底に着いたところでスイッチを押すと、この蓋が閉まって水を取ることができます。

きれいな水を確保したところで、いよいよ生物を採集していきます!!

この四角い部分で海底をがりがりし、ネットに海底の泥や泥や泥や泥や、泥と一緒に生き物が入ってくる仕組みです。

泥を流すとたくさんの小さな生き物が!!

その次はビームトロール。こちらはドレッジほど海底のものは拾わないらしいですが…
なんと! こんなに大きなヒトデが入っていました!!

なんていう種類だろう…?? 帰って展示水槽に出すのが楽しみです!

そのころ八巻トリーターは、ワニエソのお腹に溜まってしまった空気を抜いていました。深海から上がってくると、魚の体の中にあった空気が膨張し、魚がぱんぱんに膨らんでしまうので、直接針を刺して空気を抜いてあげます。

晩ごはんを食べてからは、ソーティングに取り掛かります。
ソーティングは、先ほど濾したサンゴや貝殻のかけらの中からピンセットやお箸を使って生物を選り分けていく作業です。

これがなかなか大変な作業で、日中の疲れもあり後半は自分との戦いでした。気晴らしに外に出ると、学生さんたちが釣りをしていました。

釣ったアジを捌いてお刺身にしてくれました。

私は疲れて0:30には眠ってしまいました。
さて、あと残り 2日。頑張ってきます!


三重大学大学院生物資源学研究科 附属練習船「勢水丸」(三重大学)での北里大学海洋生命科学部の乗船実習

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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