きょうから1週間の調査航海が始まりました。
北里大学海洋生命科学部の調査実習に同行させていただく形で、広島大学が所有する練習船「豊潮丸」に乗船します。
本航海では昭和硫黄島に生息するタイワンホウキガニの生態調査、硫黄島周辺海域のクラゲ類をはじめとするプランクトン類の出現状況を調査することなどを目的としています。
私が担当する中で特に大事な調査が潜水調査で、タイワンホウキガニの生息環境や自然下での行動を記録することが最重要ミッションです。
今回新江ノ島水族館からは杉村トリーターと私が参加しています。
初めての航海への期待や緊張、船酔いの不安などいろんな気持ちが湧いてきますが、自分がまだ行ったことのない地域を見ることができるというわくわく感が一番大きいです。
ちなみに きのうは丸1日移動日でした。
採集した生物を船上で飼育するための水槽やクーラー、調査に必要な潜水機材、水中ドローンなどたくさんの荷物をトラックに積み込んで 13日の朝“えのすい”を出発しました。
約 10時間かけて2人で交代で運転しながら、無事に広島県の呉までたどり着きました。
私は学生時代、大学の実習船に授業の一環で乗る機会がありましたが、入社以降で調査航海に参加するのは初めての経験です。
生物のことや環境のことはもちろん、機材の扱いや乗船で気を付けることなど、いろいろと学ぶことの多い航海になりそうです。
きょうの朝はまず、水族館から持ってきた荷物を船に積み込みました。
私は豊潮丸に乗るのが初めてなので部屋の配置や通路を覚えなければ、どこに運ぶ荷物なのか全然わかりません。
学生さんや船員の方に教えていただきながら持ち込んだ荷物すべてを積み込みました。
出航してからは、万が一の場合に備え避難訓練も実施したり、ご飯を食べたりして、積み込んだ機材のセッティングをしていきます。
当たり前ではありますが、波や風の影響で船は揺れます。
そのため物が落ちたり転がったりしないようにロープで捕縛する必要があります。
しっかり固定するためにはうまくロープを結ばないといけないのですが、経験豊富なベテランの杉村トリーターがロープワークを教えてくれました。
豊潮丸は順調に四国と九州の間を抜けて南下しています。
あしたの午後には鹿児島県沖の調査海域にたどり着くそうです。
きょうはしっかり休んで、最後まで安全第一で頑張ります!
航海日誌は私と杉村トリーターで交互に書いていきますのでお楽しみに!
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。