2023年12月13日

鹿児島湾 生物調査(5)
移動日/八巻

  • 期間:2023年12月13日
  • 場所:鹿児島市 平川動物公園
  • 目的:視察
  • 担当:足立・八巻


みなさんこんにちは!八巻です!
調査もあっという間に5日目です。本日は当初移動日でしたが、あしたからお世話になる予定の深田サルベージ建設株式会社「新日丸」の乗船地が、種子島の西之表港から鹿児島港に変更になり、鹿児島市内から移動しなくてもよくなりました。

そこで本日は、空いた時間を利用して鹿児島 市平川動物公園を視察に訪れることにしました。

平川動物公園入り口平川動物公園入り口

平川動物公園は鹿児島市が母体の動物園で、鹿児島市街から車で少し南にくだったところにあります。
園内は非常に広く、一日かけても回りきれないくらいです。
私自身動物園を訪れるのは相当久しぶりですから、じっくり回りたいという思いはありました。とはいえ時間は限られているので、駆け足で視察することになりました。
今回の日誌では特に印象に残った動物たちをご紹介しましょう!

まずはアフリカの動物たち。

アフリカの動物ゾーンアフリカの動物ゾーン

草原の向こう側に桜島が見えるのが鹿児島ならではですよね。
アフリカと桜島というと少し不思議な気もしますが、地域を代表する景色を借景して展示に取り入れるのは地域色を出す上でとても効果的だと感じました。
アフリカの動物は、やはり1頭1頭が大きく、とても迫力あります。キリンやサイはもちろんですが、そんなに大きくないと思っていたダチョウも間近で見るとかなりおおきく、完全に圧倒されました。

次にライオンとベンガルトラ(ホワイトタイガー)。
ライオンもトラも、見たときは完全に気を抜き切っていました 笑
猛獣はその名前やイメージに似合わず、なぜかだらけていることが多いですよね。。
そしてこれらの動物は檻越しにみることが多い気がしますが、ガラス面から見ることのできる場所がありました。
ガラス越しに見ると、より動物たちを自然に、身近に感じることがしました。

ガラス越しに見るライオンとトラガラス越しに見るライオンとトラ

そしてヤブイヌがとてもかわいかったのです。

ヤブイヌヤブイヌ

私はこれまで、何の動物が好き?と聞かれたとき、これが好き!と即答できる動物はいませんでした。あえていうなら犬かなぁ?くらいな感じでしたが、このヤブイヌを見て、今度から好きな動物はヤブイヌと答えよう!と思いました 笑
小さくて丸っこくて、いつも見ている犬っぽくもあるのですが小さな目や耳はどこかタヌキやキツネのような野生的な雰囲気もあり、不思議な魅力がありました!

次にサルのゾーン。
私の実家のあたりではよくニホンザルが出ますし、小さいころは群れのボスザルに追いかけられて怖い思いをしました 笑
大人になってからも動物たちと触れ合える動物園で、やんちゃなリスザルに痛い目に遭わされましたので、やや苦手な存在でもあります。。。
しかし、サルの仲間特有の人間味のある動きは見ていて飽きません。
今回そんなサルの中でもとりわけ目をひいたのは、オランウータンです。

オランウータンオランウータン

もちろん初めて見るわけではありませんが、想像していたよりずっと大きく、体毛が長くてショールを羽織っているお婆さんのよう。しかし背中は大きく立派で、森の主のような威厳を感じます。
しばらく見ていると突然綱渡りをはじめたので、わたしも含め、見ていた人から自然に歓声が上がりました。
このように外の展示スペースで遊ぶ道具があり、のびのびと生活できていることで、魅力的な行動をよぶのかもしれません。

最後にインドゾウ!

インドゾウインドゾウ

やはり動物園に行ったらゾウを見ないわけにはいきません。陸上最大の動物です。
あんなに大きな動物が地球上に存在して、今まさに動いていることに、いつ見ても新鮮な驚きと感動に包まれるのです。
ゾウを一目見れば、ちいさな子どもからお年寄りまで、長い歴史で育まれてきた生命の多様さをまさに肌で感じることができます。

動物の魅力を説明する上で、ゾウのような生物は、いわゆるオッカムの剃刀で削ぎ落とす余地もないくらい、誰もがわかりやすく単純明快です。
一方で、たとえば今回の調査のターゲットでもあるハオリムシの魅力を語るには、件の剃刀でどんなに削ぎ落としても多くの言葉が必要です。
これまでもハオリムシについては日誌を書いてきているので、参考にしてください。
しかし、伝え方に差はあっても、生き物のもつ面白さとか魅力に、ゾウとハオリムシの間で差はないと信じています。
この二者で違うのは、その生態と伝え方のみなのだと思います。

生き物の展示の手法はさまざまです。例えば生息環境をできる限り忠実に再現、環境とともに生き物をみせる展示。形態や色など魅力的な部分をより際立たせる工夫をする展示。魅力的な生態や行動を自然にするように工夫をする展示。生き物の数だけ、生き物の生き方だけ方法があると思います。

動物園の場合、フィールドは地上ではあるものの、わが国ではない別の場所を模す必要があったり、広スペースが必要であったり、観覧者に危険が及ばないようにする配慮が必要だったり、その上で動物のエンリッチメントへ配慮しながらより自然に、魅力的に生活できるように工夫していく必要があったり。
我々水族館とは違った側面からの飼育の方法、魅力の伝え方があるのだと思います。

きょう、動物園をまわってきて、動物の魅力がとてもよく伝わってきました。
動物園の方々の動物の魅力を伝えようという想いをとても強く感じます。

確かに動物園と水族館は、展示する生き物や手法は異なります。しかし、同じ生態園として、展示する動物の魅力を伝えるという大目的は共有しています。
ハオリムシの魅力がゾウのようにはっきりと老若男女に伝わるように、生態園はもちろん、博物館、美術館、そのほかのさまざまな施設やそのほかさまざまなものを隔てなく参考にし、学んで実現していきたいです。

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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