2024年09月21日

江の島潜水調査/8月・9月

  • 期間:2024年 8月18日(日)/2024年 9月12日(木)
  • 場所:江の島周辺
  • 目的:潜水調査
  • 担当:2024年8月:大下・西川/2024年9月:大下・八巻


久しぶりの江の島潜水調査への参加となりました大下です。2か月連続での参加となりましたので、まとめて報告します。

8月が暑いのは致し方ないのですが、 9月に入ってもご存じの暑さ…準備をするだけで汗だくですが、海の中に入れば非常に心地よい水温です。夏は水温の面では良いのですが、海中が濁っているのは当然の季節になります。8月、9月ともに濁りが強い海中での調査となりました。
両日ともに潜水の 1回目はヤギ類の成長量の計測。( 8月18日は 1回潜水したのみ)
ヤギ類の計測はここまでの調査報告で詳しく述べているので、今回は濁り具合を分かっていただくために測定している画像をのせます。

なんとか 2m先が見えるかな? ぐらいの透明度です。少し作業に没頭してしまうと一緒に潜っているダイバーをすぐに見失ってしまいます。そのため、お互いの位置を確認しながら調査をします。そんな時に役立つのは、「えのすいウェットスーツ」のカラーです。濁った海中でも視認性が高く、非常に目立ちます。

2回の潜水調査で確認した生物をコメントしつつ、ご紹介します。
まずは 8月にヤギ類の計測の合間に撮影したホンソメワケベラにクリーニングされているタカノハダイです。見事にタカノハダイのエラにホンソメワケベラが入り込んでいます。

自画自賛にはなりますが、ベストショットではないかと思っています。

9月に潜水調査で潜ってすぐに確認したツノダシになります。濁りが強い中、すばしっこく泳ぎ回るツノダシを画像は粗いですが何とかとらえた一枚です。

姿が比較的よく似ているムレハタタテダイは江の島周辺でも確認するのですが、ツノダシを見るのは私にとっては初になります。
ツノダシは幼魚が南方から黒潮にのって相模湾へと流れ着くのですが、それにしてはずいぶん成長しているな…と思いました。

続いても私にとっては江の島周辺では初見となったオトヒメエビです。
岩と岩の間に 2匹が並んでいました。

触覚が白くて長く、体色は赤と白の縞模様がきれいなエビです。

そして、久しぶり見ましたヒョウモンダコです。

ご存じかとは思いますが、非常に強い毒を持っているタコで、咬まれると大変危険です。
一見するときれいなタコですが、見つけた際には絶対に触ろうとしないでください。

最後に見ていただきたい動画になります。
クラゲが水面近くに密集していました。潜水しているときならではの画角です!


水面に太陽光が差し込む中、大量のアンドンクラゲがたたずんでいる光景は非常にきれいでした。このきれいな光景をみなさんに伝えたいため、クラゲに刺されないであろう距離まで近づきました。

私は別の機会でもクラゲの種類は違いますが、大量のカブトクラゲが水面近くにいるのも見たことがあります。アンドンクラゲと同じで非常にきれいな光景でした。動画を見ていただいて、みなさんがきれいだなと思っていただけたならば幸いなのですが、動画はどんなに頑張って撮影しても、目の当たりしている光景と比べると、残念ですが劣ってしまいます。
ならば、今回、私がきれいと思った海中の光景を来館されたみなさんにより近い状況で届けるには、展示水槽で再現するしかありません。水面近くに大量に漂うクラゲの展示はどこかでチャレンジはしたいものです。

調査目的の潜水ではありますが、ちょっと他へと視点をずらしただけでも、このように展示へのヒントがあります。また、継続することの重要性も今回の潜水で実感しました。
潜水調査に関わる全てにおいて『継続は力なり』をモットーに、一年を通して各月に実施することを続けていきます。

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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