2024年12月13日

勢水丸 三重県沖生物採集(3)
2日目/園山

  • 期間:2024年12月11日(水)~ 12月13日(金)
  • 場所:三重県沖(熊野灘)
  • 目的:生物採集
  • 担当:園山‧渡部


乗船して2泊した2日目。船での生活にも慣れ始め、みんなでラジオ体操をしてすっきりした朝を迎えました。

きょうはきのうも実施したORIと、ドレッジ、ビームトロールです!
ドレッジとビームトロールは過去の例を見ても、入る生き物も多く、私的にはきょうが本番。期待に胸が膨らみます!

しかし、きのう獲れた生き物も持ち帰れるようにしないといけません。また、無脊椎動物はほとんどが私が種名がわからない生き物のため、調査ポイントにつく前にきのう採集した生物の同定作業をしました。
顕微鏡をのぞいたところ、どうやら生きて獲れているエビは、スベスベツノチヒロエビという種のようでした。見慣れない生き物を見て調べるのは楽しいですね!

そうこうしている間にまずドレッジが始まりました。これで泥中の生物を採集します。すごい泥の量!
残念ながら今回は水族館が欲しいものはわずかしかありませんでした。

船にあげた泥船にあげた泥

そして、次はビームトロール!
こちらはいました!アカグツ! かっこいいですね~
ほかにもヤナギムシガレイ、カワラガレイ、ユメカサゴ、コシオリエビなどが一気に入りました。
なかでも、おぉ! となった魚が、キホウボウの仲間! (ナンヨウキホウボウかな)浮いてしまっていたので手早く加圧水槽に収容し、水圧をかけます。

キホウボウの仲間キホウボウの仲間

加圧水槽の中でゆらゆらしています。どうか無事であってくれ。

ただ、たくさん生き物がはいったおかげで、急に水槽が生き物でいっぱいに、、、、
いくら水槽があるといっても、期間が短いといっても、やはり収容できる生物量には限界があります。こういうときには経験値がものを言います。取捨選択をして、持ち帰れる可能性が高いものを選びます。

容器でいっぱいになった水槽容器でいっぱいになった水槽

最後に今回の調査の締め、2回目のORI。
またまた大変なのがいました。アンコウ類の雄個体です! しかも、弱ってはいますが生きてます!

アンコウの雄個体アンコウの雄個体

アンコウ類全てではないのですが、深海にすむアンコウ類の一部は雌と雄が出会う確率が低いせいか、雄が雌を見つけると、雌の体に噛みつき、そのまま同化して繁殖します。雌についている雄個体は見たことがありましたが、雄単独でみるのは初めてでした。
まさかそんなものが獲れるとは思わず一気にテンションがあがりました!

そんなこんなでしたが、楽しい採集の時間は終わりを迎えます。
ただ、今回の乗船した目的は採集することではなく、それを展示すること。あすは水族館にむかってひたすら車で走ります。この生き物たちをみなさんに見て、感じて、考えてもらうために。

さて、今からあすの積み込み、搬入に備えての準備です!


・三重大学大学院生物資源学研究科 附属練習船「勢水丸」(三重大学)での北里大学海洋生命科学部の乗船実習

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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