2025年07月03日

江の島潜水調査 7月

  • 期間:2025年 7月 3日(木)
  • 場所:江の島周辺
  • 目的:潜水生物調査
  • 担当:加登岡・西川


前回の調査から良い間隔で、7月の調査をおこないました。私は普段なにかと野外に出る時は嵐を呼んでしまうため天候が気になっていましたが、青空が広がりました。そして、海峡も良い感じ。私は今回初めての江の島潜水調査です。海の環境はいかほどか期待を膨らませていざダイブ! 今回のバディは西川トリーターです。6月の調査でも、江の島潜水調査初の渡部トリーターの指導をしていましたが、今回も西川先生お願いします!

ベテラン調査員の西川トリーターの後ろにピッタリくっつき、調査方法を覚えます。海中では潜っていられる時間(酸素の量)が決まっているため、手際よく作業を進めていきます。また、水中では地形とコンパスを頼りに目的の地点へと向かいます。
道中見た大きな岩は、私が普段毎日見ている相模湾大水槽の擬岩とそっくりでした。これを再現したのだなと改めて実感します。ただ違うところは、この天然の岩肌には海藻やらウミシダ類、ウミウシなどの生物が豊かなところです。もちろん調査対象のヤギも生えています。岩の感じだけでなく、この生物環境も再現しなくてはならないと改めて思いました。

調査現場へ着くと、すぐに西川トリーターがヤギの計測記録を始めます。計測する種にはタグが付いていますが、ぱっと見すぐにわかりません。しかし、そこはベテラン調査員!手慣れており、どんどん計測を進めていきます。

私はというと、西川トリーターが計測している間に、どんな生物がいるか調査です。
ニザダイやクロホシイシモチ、ハコフグにウツボなど江の島常連種が見られます。チャガラやキヌバリなどの小さなハゼや、溝の間には卵を抱えたノコギリヨウジも隠れていました。小さなカマスの仲間の群れも! 私がサンゴ調査で潜っていた伊豆の海と似ているようで、ちょっと違う感じがします。
海藻はというとワカメの先端が溶けてなくなっていました。先月潜った渡部トリーターの報告の予想通り、水温が上がってしまったことで溶けてしまったのでしょう。

ワカメの森は根本だけを残して消失してしまいました。これも来月になったら、根本すらなくなってしまうことでしょう。水中では海藻を見ることで、季節の移り変わりを見ることができます。ワカメがなくなりましたが、来月は代わりに季節来遊魚が見られるようになるかもしれません。来月の調査報告をお楽しみ!

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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