2025年07月08日

D-ARK 航海 2025(4)
駒橋第2海山最終日、南大東島へ

  • 期間:2025年 7月 2日(水)〜 8月 3日(日)
  • 場所:九州・パラオ海嶺、大東島周辺海域
  • 目的:深海石灰岩洞窟における遺存種の把握とその分類学的研究
  • 担当:八巻


みなさんこんにちは! 八巻です。
7月 7日は「 KM-ROV 」で駒橋第2海山最後の 1潜航
7月 8日は南大東島へ向けての回航日です。

7日の「 KM-ROV 」 #313潜航は、駒橋第2海山での最後の潜航となりました。 平頂部の北西水深 2,000mから尾根へ向かい、尾根沿いに平頂部へ向けて登って来るイメージでの潜航です。
2,000mの海底にしては、着底した直後からにぎやかで驚きました!

海底のようす海底のようす

早速 Paragorgia 属の一種という八放サンゴの仲間を採集しました。


Paragorgia属の一種


いわゆる宝石サンゴと同じサンゴ科に属する生き物ですが、骨はアカサンゴのように固くはなりません。 英語では Bubblegum coral と呼ばれます。 確かに枝の先がまるい風船ガムのようになっています。 良いネーミングセンスをしていますよね!
持ち帰る予定なので、展示ができるように船上飼育を頑張ります。

この日はとにかく懸濁物食、プランクトン食の生き物だらけでした。
例えば、キンヤギ、オオキンヤギ、カイメン、テヅルモヅル、ウミシダ、ウミテングタケ、キヌアミカイメンとキンヤギ類(細かいピンク色の枝)とキヌアミカイメン類(白いふわふわ)、キノコカイメン類などさまざまです。

キンヤギ類キンヤギ類

オオキンヤギ類オオキンヤギ類

ガラスカイメン類に付着するテヅルモヅル類とウミシダ類ガラスカイメン類に付着するテヅルモヅル類とウミシダ類

ウミテングタケ類(中央左のオレンジ色)ウミテングタケ類(中央左のオレンジ色)

キノコカイメン類キノコカイメン類

これらの生き物は他の小さな甲殻類やヒモムシ類、ゴカイ類、ヒドロ虫類などの無脊椎動物のすみかや基質になって、多くの生き物を育みます。

深海の海山はその起伏が作り出す潮の流れが源となり、浅海のサンゴ礁に負けないくらいの生物多様性を支える大切な存在になっているのだと、改めて感じました。
奇しくも、今回の調査のターゲットとしていた深海の海山の生物多様性を実感できる美しい景色を見せてくれた、駒橋第 2海山での調査のしめくくりにふさわしい「 KM-ROV 」 #313 潜航でした。

さて、7月 8日からは、九州・パラオ海嶺の調査から D-ARK 調査への転章となります。
7月 8日 午後、ようやく見えた大東島!

大東島が見えた!大東島が見えた!

早速南北大東島の間にベイトカメラを投入して、D-ARK 調査のスタートです!

ベイトカメラにD-ARKエンブレムのシールを貼るベイトカメラにD-ARKエンブレムのシールを貼る

ベイトカメラ投入のようすベイトカメラ投入のようす


本プロジェクトは、日本財団の支援を受けて笹川平和財団海洋政策研究所が実施する「オーシャンショット研究助成事業」により助成を受けたものである。
オーシャンショット研究助成事業は日本財団の助成を受けて笹川平和財団海洋政策研究所によって実施されている。

・JAMSTEC(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)KM25-06「かいめい」/「KM-ROV」 D-ARK 航海
・新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究をおこなっています。

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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