午前中、研究所の所長さんが事務所に来られ、今後の協力関係についてミーティングがおこなわれました。 今後も、クラゲ類はもちろん、少しずつ他の生物に関しても情報交換をおこない、協力関係を深めていけたらと思います。
昼食後、タイ出張最終日にして、最大級の大捕り物に臨みました。
午後一番、引き潮の時間帯なので、桟橋ではなく遠浅のビーチでクラゲ探しをおこないました。
が、透明度の低い海で、俯瞰できない採集というものがいかに効率がよくないかを実感し、やはり桟橋の上でスタンバイすることにしました。
すると、強風で波がバシャバシャしている状況には変化がないのですが、だんだん潮が上がってきて、海水の色が変わってくると同時に、ミノクラゲをはじめとした大型のクラゲの姿がちらほら見え始めました。
届くところまで流れてきたら、柄付きの網で上からクラゲを確保し、ゆっくり上げてきて大きな容器に移す、という、力の要る作業となりましたが、周りにいた現地の釣り人たちにも場所を譲っていただいたり、ご協力をいただきながら、採集を進めました。
今夜の私たちのフライトの時刻からして、18時にはブラパ大を出発しなければなりません。
「クワンさん、タイムリミットは?」と尋ねると「3PM」と返ってきました。
しかし、潮が上がれば上がるほど流れてきて、目につくクラゲもどんどん増え、忙しくなってきました。
3PMが過ぎても、やめられない状況です。 もう十分か、と作業終了したのが3時半。合計7個体。 採集個体の半分はアディショナルタイムの追加点だったと思います。
最後の最後に神様が味方してくれる、そんな予感はありましたが…。
これで終わりではありません。
大学に戻り、怒涛の如く採集道具を片付け、水族館の裏方でクラゲを梱包し、自分たちの帰国荷物をまとめたところで、もうすでに18時15分。 あとはクラゲとともに出国するだけです!
あれ? と、お思いの方もいらっしゃると思います。 そういえば、ミノクラゲ、えのすいで展示されてないな、と。
実は、大きな箱に入ったミノクラゲは空港で諸事情により差し止められ、出国できなかったのです。
「採れたー!」 → 「出せない~?!」
最後の最後の最後にもしかしたら、、、という一抹の不安もありはしましたが…。
日本に渡れなかったミノクラゲは、ブラパ大付属の水族館で展示してもらえたことを、あとから知らせていただきました。
そして、ミノクラゲのシーズン中に、改めてタイから送ってもらえるかもしれません。
小さなクラゲやポリプは持ち帰ることができました。 こちらはゆくゆくご紹介できればと思います。
ブラパ大学のみなさん、ありがとうございました。 引き続き、よろしくお願いいたします。
海外サンプリング… 毎回ドタバタです。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。