みなさんこんにちは! 八巻です。
航海も残り10日を切りましたが、台風に翻弄されています。
23日は足摺沖へ回航、足摺沖で台風 8号のようすを見ながらの避泊予定でしたが、残念ながら台風 9号の発達により、大東島方面には戻れないことになってしまいました。
そこで予備海域の駿河湾への移動が決まり、24日は回航、そして本日25日、3日ぶりの潜航を駿河湾でおこなうことになりました!
「KM-ROV」#323潜航、駿河湾の中心にある「石花海(せのうみ)」という浅堆の急峻の斜面、水深約580mから440mまでを観察しました。
今回の潜航の目的は、今回の調査で初めて登場する機器、超高感度カメラのテストです。
もともと大東諸島で使用する予定でしたが、動作試験もかねて予備海域の駿河湾で使用することになりました。
超高感度カメラで撮影をねらうのは生物発光です!
先日「ピッグ・ノーズ」でアカサンゴスナギンチャク属の一種の発光をとらえることができましたが、その時発光を撮影したのは「TPF2」に搭載された通常のカメラです。
超高感度カメラは微弱な光でもとらえることができるため、通常のカメラではとらえることができないような発光も撮影することができるのです。
どんな生き物が光るか、さまざまな生き物を刺激して試してみました。刺激の方法はできるだけ優しく、「KM-ROV」がハケを持って、そのハケで生き物を“撫でる”という方法でおこないました。
「KM-ROV」がハケを持つのは、間違いなく初めてのことでしょう、とてもシュールな姿です。
樹手目ナマコ類、ウデボソヒトデ類、テヅルモヅル類、フクロウニ類、ヤギ類など刺激をしてみましたが、中でも見事だったのが、ハゲナマコ類です。
ハゲナマコのなかまが光ることは私自身も知っていましたし、見たこともありました。ただ、あくまで肉眼での観察、かつ採集した後の個体に限られます。
おそらく採集後は、採集による刺激やダメージによってナマコがすでにかなり光り、エネルギーを消費した後と思われます。いわば“疲れた状態”であり、“万全な状態での発光”ではなかったと考えられます。
今回超高感度カメラで撮影するのは、採集前の深海約500mにいる “万全な状態”のハゲナマコ類です。いったいどのように光るのか、興味津々でしたが、完全に予想を遥かに上回る光り具合でした!
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
オーシャンショット研究助成事業は日本財団の助成を受けて笹川平和財団海洋政策研究所によって実施されている。