2025年11月28日

相模湾鯨類調査

  • 期間:2025年 11月 28日(金)
  • 場所:相模湾
  • 目的:相模湾に来遊する鯨類種特定に関する調査研究
  • 担当:花上・浦﨑・伊藤・羽田

相模湾での鯨類目視調査に行ってきました!

今回も「でいとう丸」に乗船し、相模湾の鯨類目視調査を実施しました。
メンバーも前回同様、羽田、花上、浦﨑、伊藤に加え、調査実習としてTCA 東京ECO動物海洋専門学校の先生と学生のみなさんが参加しました。

朝 6時に水族館へ到着した際、思っていた以上に風が強く、きょうの海は荒れているだろうな、、、と覚悟しながら港へ向かいました。
船長とも相談し、時間とともに風が落ち着く予報だったため、沖へは出ずに沿岸を中心に探鯨することにして、いつも通り 7時に出航しました!

ちなみに今回の航路はこちら。


事前の目撃情報として、伊東沖でカマイルカとザトウクジラの情報が入っていたため、まずは熱海沖を目指します。

しかし、海は前回の穏やかな凪とは打って変わって、時折白波が立つ状態で、船首は波しぶきをまともに受けるため、メンバーは全員後方へ移動。

しっかりつかまっていないと立っているのも難しいほどの揺れ。
この状況では双眼鏡やカメラを構える余裕もなく、「この海で鯨類の小さな背びれを探すのはなかなか厳しいな、、、」と感じるほどでした。熱海沖へ近づくにつれて波やうねりも落ち着き、ようやく調査ができる海況となりました。

さぁここからが本番!と集中して調査を続けます。

しかし東伊豆町沖まで進んでも鯨類の姿は見られず、、、
そして鳥も魚も少なく、生き物の気配がほとんどありませんでした。

前日の夜に少し雨が降っていたため、前回の調査時と同様に、雨水で海水が薄まり、餌となる魚が分散してしまった可能性があります。
この日は生き物たちが動き出すタイミングと私たちの調査時間が合わなかっただけという可能性もあります、、、!

ザトウクジラのシーズンに入り、大島付近まで行きたいところでしたが、海況が厳しく断念。沿岸を折り返して探しながら戻るものの、伊東沖まで来ても発見はありませんでした。

海況が落ち着いてきていたので、少し沖ですが、前々回にハナゴンドウを発見した場所にも向かいました。
しかしここでも見つからず、前回に続いて今回も鯨類に出会えない可能性が出てきました、、、

何としてでも見つけたいという想いから、「最後のチャンス!」とこれまで調査航路にあまり含めてこなかった三浦半島沖へ向かうことにしました。
イカ釣りのポイントがあるとの情報があり、イカを好んで食べるハナゴンドウやその他鯨類がいるのではないかと期待しながら向かいます。

三浦半島沖へ近づくにつれて、徐々に鳥の数が増え、さらに海面に水しぶきが上がっているのを発見!!「ついに見つかるか!?」と期待が高まりましたが、現れたのはマグロでした、、、

写真に収めることはできませんでしたが、全身がしっかり見えるほど大きく跳ねており、その下にはイワシやサンマと思われる小魚の群れがいるのがわかり、水面にきらきらと光る小魚の姿も確認できました。
この魚の群れに鯨類がついている可能性も十分あるため、周囲をくまなく探しましたが、残念ながらここでタイムアップとなりました。

冬になり、日が短くなっているため、沿岸までは寄れず片瀬漁港へ帰港。

今回も鯨類の発見には至りませんでしたが、ザトウクジラの目撃情報があったことや、三浦半島沖での小魚の群れなど、次回につながる情報を得ることができました。
冬の相模湾はどうしてもしけが多く、一瞬のチャンスを逃さないためには調査メンバー全員の調査力?をさらに鍛えていく必要があります。

次回は年明けの 1月となりますが、良い報告ができるように、引き続き調査を進めていきたいと思います!

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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