2026年01月06日

相模湾鯨類調査

  • 期間:2026年 1月 6日(火)
  • 場所:相模湾
  • 目的:相模湾に来遊する鯨類種特定に関する調査研究
  • 担当:羽田・花上・浦﨑・伊藤


あけましておめでとうございます!新年 1回目の相模湾鯨類目視調査です!

今回も引き続き「でいとう丸」に乗船させていただきました。メンバーはお馴染み羽田、花上、浦﨑、伊藤、そして調査実習としてTCA東京ECO動物海洋専門学校の先生と学生の方々です。

今回は午前中に少し風が出る予報でしたが、午後には止んで凪になるとのこと。
そしてこの調査で、これまでと大きく変えた点がひとつあります。それは――出航時間。

前回、前々回と続けて鯨類を見つけることができなかった相模湾調査。そのときの海のようすを振り返ってみると、どうにも気になる点がありました。
鳥の群れが少なく、魚の跳ねる姿もほとんど見られない。
「もしかして、餌となる魚がいなかったから、鯨類もいなかったのでは?」
そんな仮説がチーム内で浮かび、今回は思い切って 7時出港から時間をずらすことになりました。

出港は、6時半。
……はい、真っ暗です。

1月の早朝、しかも海の上。
ただでさえ寒い時期に、朝一番の冷え込みが加わり、船の上は完全防寒スタイルの人間だらけ。誰が誰だかわからないくらい、全員もこもこでした。

そんな出港直後は暗すぎて目視調査どころではありません。空が明るくなるまで、しばらくは待機時間。エンジン音を聞きながら、じっと夜明けを待ちます。

少しずつ空が明るくなり、周りがしっかり見え始めたのは 6時 50分ごろ。
ようやく調査開始です。

今回の航路は、直近の目撃情報をなぞるように設定されています。
12月下旬にカズハゴンドウが、さらに 3日前にザトウクジラが目撃された場所。
沿岸にそって、大島を半周して帰ってくるコースです。


「きょうは絶対にどこかにいるはず」
そんな期待を胸に、双眼鏡を握る手にも自然と力が入ります。

……しかし、現実はそう甘くありません。

時間は少しずつ過ぎていき、気づけば昼が近づいていました。
鯨類の姿は見えず、船はもうすでに大島をほぼ半周。江の島方面に戻るため、進路を変えていました。

――これは、また同じ流れかもしれない。

そう思った、その瞬間でした。

「うわ!!」
誰かの声が上がり、反射的にそちらを見ると、船の真正面で大きな水しぶき。
何かが勢いよく海中へ潜っていくのが、確かに見えました。そしてその直後、海面に残った大きなリング。

大型鯨類が潜る際にできる、バブルリングのようなものです。

あまりにも一瞬の出来事で、船にいた 10人のうち、見られたのはわずか 3人。
カメラを構える暇もなく、写真は一枚も残せませんでした。それでも、あれがヒゲクジラ類であったことは間違いありません。
種類までは特定できませんでしたが、つるりとした体で、かなり大きな個体でした。

浮上した場所がちょうど船の正面だったため、お互いに驚いてしまったのか。
鯨類も人間たちも「え!?!?」となっていた、ほんの数秒間。今思い返すと、申し訳ない気持ちになります。びっくりさせちゃってごめんね。

息も整わないまま潜っていったように見えたため、「すぐにまた浮上してくるかもしれない」と期待し、15分ほど船をいつもよりゆっくり走らせ周囲を調査しました。
しかし、再び姿を現すことはありませんでした。

今回はここで断念となりましたが、種不明ヒゲクジラ類として、しっかり記録に残します。
写真はなくとも、相模湾調査で初めてのヒゲクジラ類目撃。
船内には悔しさと同時に、「確かにいた」という確かな手応えが残りました。

その後、船長の仲間の方から「イルカがいる」という情報が入ります。
距離は約 20 km先。沖の瀬というところ。船長によると、海底の地形が特殊で、簡単に言ってしまえば海の中に山があるような地点らしいです。そういう場所には魚も多く集まるようです。


正直、かなり遠いですが、それでもこの情報を見逃すわけにはいきません。急いで現地へ向かいました。

40分後に到着した結果……何もいない。
残念です。もう少し粘りたい気持ちもありましたが、時間となり、今回の調査はここで終了となりました。

正直なところ、写真も撮れず、じっくり観察もできなかったので、悔しさは残る調査でした。

出港時間を変えてみる、という小さなチャレンジ。正直、鳥や魚の数はあまり変わらなかったですが、結果的には今回の遭遇につながったのかもしれないと思うと、やってみてよかったなと感じています。

まだまだ分からないことばかりで、思うようにいかない調査が続きますが、こうした積み重ねが次につながっていくはず!
次こそは、もう少し落ち着いて、しっかり観察できるようにしていきます。

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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