およそ 3か月ぶりに、ウミエラ調査のための夜間潜水を実施しました。調査地は前回の 5月と同じポイントで、三浦半島の南側に位置する江奈湾です。
私は江奈湾での潜水は 3回目になるので、水中のようすはこれまでの経験から大体の予想がつくようになりました。
今回のバディの加登岡トリーターは初江奈湾(しかも夜間!)なので、しっかり打ち合わせをしてから潜水スタートです!
夏の夕方はまだ明るいです夜間潜水といっても潜り始めはまだ日没前なので明るいです。
いざ水中に入ってみると、さっそく何かが目の前をすーっと横切って泳いできました。
なんかクラゲみたいな・・・?
アンドンクラゲ白い触手が 4本、触手の先の右側に四角っぽい透明な傘が見えますでしょうか。
アンドンクラゲは夏に出現する毒をもつクラゲとして有名で、刺されると激しい痛みが出ることがあります。
これがびゅんびゅん何個体も目の前を泳いでいくものですから、つい水中で驚いてしまいました。二人ともフードを被っていて良かったです。
夏の江奈湾が初めてとはいえ、クラゲの出現は全く予想しておらず、、、前言撤回です。
3回目の潜水ですが、まだまだ水中のようすを予想できていませんでした。
気を取り直して、アンドンクラゲには気を付けつつ、沖の方へ進んでいきます。
少し泳いで実感しましたが、この日は今までの潜水調査の中で最も視界が悪いコンディションでした。
水中はとても濁りが強く、水底から少し離れると地面が見えなくなってしまうので、這いつくばるようにして泳ぎ、ウミエラを探します。
ゴンズイ水中ライトで照らしながら泳いでいると、岩の下からゴンズイがもぞもぞと出てきました。寝ているところを起こしてしまったかもしれません。ごめんね、ゴンズイたち。
水底にはサビハゼなどが多く、近づくとぴゅんとすばやく泳いで移動します。
他にもアカオビシマハゼがちょこんと貝殻や小石に乗っている姿も見られましたが、こちらは近づくだけではほとんど逃げません。写真を撮るためカメラを構えようとすると、ようやくすっと巣穴に潜り込んで隠れます。
そんな感じで魚たちのようすも観察しつつ、ウミエラ~ ウミエラ~ と捜索していると、ついに出会えました!!
ヤナギウミエラの仲間たち1
ヤナギウミエラの仲間たち2
ヤナギウミエラの仲間たち3
ヤナギウミエラの仲間たち4
トゲウミエラの仲間ぽつんぽつんといたるところにウミエラの仲間がいます。
ヤナギウミエラの仲間は見た目の異なる群体がいくつも観察でき、この環境に複数種生息していることがわかります。
トゲウミエラの仲間も大きな群体がポリプを開いていて、一潜水中に何度も出会いました。
まとまって群生しているところと、そうではないところの違いは何なのか、気になるポイントです。体感的には沖に向かって進んだ方がウミエラたちの数は多かったように思います。
そして写真からもお分かりいただけるかと思いますが、とにかく濁って周りがよく見えない状況です。
水中ライトで照らしながらウミエラ探しをしていて、本当に急に視界に現れる特大のトゲウミエラ、前回もそうでしたが毎度驚かされます。
カンパナウリクラゲ潜水終了の時間になり岸へ戻っていると、今度はまた別のクラゲがたくさん現れました。
そういえばこの日はカンパナウリクラゲが江の島でもたくさん採集されたとクラゲ担当のトリーターが言っていた気がします。
このように季節によって出現する生物は変わるので、ぜひこのウミエラたちが住む江奈湾の環境も一年を通して季節ごとに観察してみたいです。
それで初めてこの環境を把握してきたと言えるのではないでしょうか。
私は以前から、泥質の環境だからこその濁りや水中で出会うウミエラの迫力と力強さを、ぜひいろんな人に体感してほしい…! と思っていたので、帰りの車の中で加登岡トリーターのウミエラ調査の感想を聞くのがとても楽しかったです。
フィールド調査を通して、みなさんにも少しでもウミエラの面白さと、この環境でくらす生物のことを知ってもらえたらうれしいです。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。