
カツオノエボシは、烏帽子状の気胞体で海面を漂いながら生活するクラゲの仲間です。強力な毒をもち、刺されるとしびれるような痛みを伴うことから、通称「デンキクラゲ」とも呼ばれます。
普段は外洋で生活していますが、強い南風が連続して吹くと、その風にのって神奈川県の沿岸域でも見られることがあります。捕獲する・食べる・繁殖するなど、役割の異なる個虫が連なることで、群体が形成されており、私たちが普段目にする姿は、他のクラゲでいうところの「ポリプ」のような状態です。
近年、本属の研究はさまざまな分野で進められており、これまで謎に包まれていたことが少しずつ明らかになってきています。2025年には分類で大きな動きがあり、これまで世界に Physalia physalis の 1種のみとされていたカツオノエボシ属が、5種類に分かれることとなりました。日本ではカツオノエボシ属が少なくとも 2種類以上いることが明らかになっており、江の島周辺でもカツオノエボシ( P. utriculus )とミカヅキノエボシ( P. mikazuki )の 2種類が見つかっています。
▶えのすいトリーター日誌:2025/11/13_ミカヅキノエボシとカツオノエボシの仲間たちその 1
「危険生物」として有名な本種ですが、正しい距離で関われば、面白いことをたくさん教えてくれる魅力的な生き物です。ぜひ水槽越しにじっくり観察してみてください。