2009年05月22日
トリーター:石川

ジョンはどこ?!


新江ノ島水族館には 2種類のペンギンが暮らしています。
フンボルトペンギンとケープペンギンです。
フンボルトペンギンは 20羽、ケープペンギンは 1羽です。
どちらもフンボルト属のペンギンで大変よく似ています。
慣れてくればすぐに解りますが、違いを言葉で伝えてもきっと“わからないだろうなあ”と思うのです。

同じフンボルト属はこのほかにマゼランペンギンとガラパゴスペンギンという種類がいますが、どちらも黒い縞模様が首のところで 2本縞になっているので見てすぐに解るのです。しかしフンボルトとケープは、どちらも一緒の 1本縞なのです。
目の後ろの白い線が太いほうがケープペンギン、細いのがフンボルトペンギンです。

この 4種ははじめは同じペンギンだったのだろうと想像できるほどよく似ていますが、南アメリカ側へ分布を広げた種類はガラパゴスペンギン、フンボルトペンギン、マゼランペンギンで同属でアフリカ側にいるのはケープペンギンだけなのです。
ケープペンギンは別名アフリカンペンギンという呼び名で呼ばれることもあります。

もう一つ不思議なのは首の黒い縞模様ですが、マゼランペンギンとガラパゴスペンギンが並んで分布しているのであれば同じ 2本縞模様ですから説明も付けやすいのでしょうが、真ん中にフンボルトペンギンの分布域を挟んでいます。
そして離れたアフリカに生息するケープペンギンは、フンボルトペンギンと同じ一本縞なのです。
同じ属でも、棲む大陸が違う 2種が近くに生息する同属よりも似ているというのは、面白いですね。

さて新江ノ島水族館のケープペンギンは、名前を“ジョン”といいます。
アフリカから日本に来て 12年がたちました。
ペンギンストーリーでも“ジョン”の都合がわるくないかぎり、はじめのほうで参加しています。
最近は仲のいいフンボルトペンギンの“キク”と正面の岩の上で一緒に居ることが多いようですが、もう一つのお気に入りの場所はガラス面の向かって右側あたりです。
泳ぎながらお客さま側を見ていることが多いので、真近で見られる絶好のチャンスです。
よーく違いを見比べてみてくださいね。

※“えのすい”に来る前に、まずはイラストで予習してみてくださいね。

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