2021年11月13日
トリーター:伴野

とあるトリーターの四コマ劇場 Season2~その3、4~


みなさん、こんにちは!
絶賛?連載中四コマ漫画劇場です。
学部4年生になると研究室に在籍をするようになります。

私は魚病学(魚の病気)を専門にしている研究室に所属をしていました。
理由はシンプルです。
将来飼育員になった際、魚病診断ができたら役に立つと思ったからです。
そして担当する教授の授業が好きだったからです。

私の卒業研究のテーマは「天然河川での細菌性冷水病による鮎(アユ)大量死の発生要因と感染源について」でした。

とある河川で毎年おこっているアユの大量死がなぜ発生してしまうのか、発症の原因と感染源を突き止めるといった内容でした。

どんなことをしていたかというと

感染源はどこだ!
1.アユを集める(投網で捕まえる and 河川に放流しているアユを漁協からいただく)
2.解剖して病原菌を持っているかチェック(今はやりのPCR!)
3.発見した病原菌の遺伝子型を調べて追跡する

なぜ発症して大量死を引き起こす?
1.集めたアユの肥満度(健康状態)をチェック
2.集めたアユのストレス指標をチェック
3.通常飼育と過密飼育を実施し、発症率に差があるか

こんなことをしておりました。
今回の四コマ漫画はこの研究室生活を描いてみました。

大量死が発生するのは毎年6月。
その前後のアユについて調べたいので、4月から9月にかけて河川に行って投網を投げまくります。朝早くから一日中投網を投げ続けひたすらアユを集めます。
大学に戻るころには夕方過ぎ。
そこから解剖してDNAを抽出するのですが、普通に解剖するといろいろな菌も混ざってしまいます。
そこで無菌環境で解剖をするのですが、あいにく無菌ルームなんてものはありません。
なのでお手軽無菌環境を作ろうということです。
真夏に部屋を閉め切り、空調を切り、ガスバーナーをつけます。
すると上昇気流ができて落下細菌が混ざらないというわけですね!
なんてすてき!
私が川から帰ってきて解剖を始めると、一人、また一人と研究室から姿が消えていきます…。私自身も汗だらだらになりながら何時間も解剖をやっていました。

解剖後はアユの腎臓からDNAを抽出しPCRをすることによって、その病原菌を持っているかが分かります。
そしてその得られた病原菌のDNAの型をより細かく見ていくと、どこから来たのか由来を追跡できるということなのです。

ざっくりいうとこんな感じの研究です!

今思い返すと、なにかにここまで本気で没頭し、全力をつぎ込んだのは初めてのだったかもしれません。
本当に人生で最も充実していた1年だったと思います。
命と向き合うことや飼育、研究の基礎を教わったと思っています。(未熟な私がいうのも気が引けますが…)

そしてこの経験を活かして水族館の就職活動へと突入していきます。
来月で今年も終わり!
トリーターまでたどり着けるのか⁉
乞うご期待‼


バックナンバー
2021/03/10 とあるトリーターの四コマ劇場 Season1 ~その1~
2021/04/16 とあるトリーターの四コマ劇場 Season1 ~その2~
2021/05/26 とあるトリーターの四コマ劇場 Season1 ~その3・4~
2021/07/24 とあるトリーターの四コマ劇場 Season1 ~その5・6~
2021/08/28 とあるトリーターの四コマ劇場 Season2 ~その1・2~

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