2023年02月17日
トリーター:佐野

授乳室がきれいになりました part 5

水族館にやって来る動物たちは、もともと野生で食べている物から水族館で用意する餌に移行してみなさまにお目見えします。
例えば、始めは生きた餌生物を、次に用意した餌を動かして生きているかのように見せながら、最後にそのまま。栄養面でも餌を切り替えることもあります。これまで食べていたものを新しい餌に切り替えていくのですが、すんなり受け入れてくれない動物もいて、なかなか苦労します。形状が嫌なのか、味が嫌なのか?もともとの餌に少しだけ混ぜ込んでみたり、切り方を変えたり、与える順番を旧→旧→新→旧→新と頻度を変えてみたり、与える環境を変えてみたり。
この作業、子育て中の方にはピンとくる方もいるのではないでしょうか。そう、子どもに苦手なものを食べさせるのと同じ工程なのです。

先月授乳室の改修工事とベビーケアルームの設置をおこないました。使いやすくなった授乳室をママトリーター全員が最近のトリーター日誌でぐいぐい紹介しています。今回もこちらを濃い目にご紹介します。授乳室がきれいになりました、最終回です。

今、“えのすい”には 5人のママトリーターが勤務しています。
担当動物とは別に、ママたちから成るチームが去年の 4月から動き出しました。恐らく日本の水族館でも初の人事的試みではないでしょうか。このチームで何ができるのかを考えたときに、真っ先に浮かんだのが、子連れのお客さまに快適に過ごしてもらうための環境づくり。子どもの年齢、はたまた月齢によって必要なものは変わってきます。今回は授乳中のお子さま連れに焦点を当てました。

これまで狭くてベビーカーごと入りにくかった授乳室。0歳児のお出かけは時に子ども自身よりもお世話グッズの方がかさばります。
そこで授乳室の使用状況を調査し、席数を1つ減らすことで広さを確保。水族館らしいイラストで明るい雰囲気に。
電子レンジを設置し離乳食もほかほかに。授乳室に電子レンジが必要なんて出産前は思いも至りませんでした(離乳食を温めるのに必要なのです)。
出口付近のベビーケアルームは最近町でも見かけることが多くなってきました。上の子も一緒に入れて男性も使える優れものです。アプリで空室状況のチェックもできますよ。さあ、パパ、おむつを替えてミルクをあげよう!

休館日に設置したベビーケアルーム休館日に設置したベビーケアルーム

写真はベビーケアルームと今回の改修に携わったチームの面々です。ママトリーターだけでなく、書類や外部とのやり取り、内装デザインの担当者など、起案から実現まで、これまでの改修関係の中でも超短期間であった中、協力しあって実現しました。そして、全員子育て中でもあります。ちなみに私は映っていません。丁度この日に子供から風邪をもらってしまい、ダウンしておりました。これも子育てあるあるではないでしょうか。やられた・・・。

こんな不安定な状況の中で、これまで通りの勤務ができず、チームに助けてもらいながら働かせてもらっている私たち。一方、子育て主担当だからこそ、見える視点がある私たち。今の私たちにしかできないことで家族のお出かけが楽しくなるような水族館づくりができるよう、頑張ります!少しでも子育て中の方々が動物を通してほっと一息付けますように。

part1
2023年01月29日 授乳室がきれいになりました!(干潟の水槽も変更しました!)
part2
2023年02月03日 休館日作業(授乳室がきれいに!! ベビーケアルームの設置!そしてクラゲ担当の休館日作業)
part3
2023年02月05日 ふたごの日
part4
2023年02月07日 赤ちゃん誕生

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