2023年08月17日
トリーター:園山

福がいっぱい!? フグの話5

前回前々回のトリーター日誌でクサフグの産卵に関する話をしました。
そして今回は・・・そう、お待ちかねの、クサフグの話です。

クサフグの産卵については、前々回でお話ししましたが、クサフグの産卵について個人的にちょっと気になっていたことがあったので、その調査もしていました。
今回はその話をしたいと思います。

気になっていたのは産卵に来たときのクサフグの性比です。
簡単にいえば、オスとメスとどのくらいの割合でいるのか、ということです。

クサフグの産卵は割と多くの場所で確認されています。
これまで報告された調査結果を見るとほとんどが、オスが 9に対しメスが 1の割合で産卵しているようです。
だからといって江の島のクサフグが同様かどうかは分かりません。ということで、調べてみると・・・

結果は33個体中、オス28個体、メス 5個体。
調査した個体数が少ないので、最終的には何ともいえないのですが、いわれているよりも、ちょっとだけメスが多い結果となりました。

それと、体のサイズ計測も併せておこないました。卵をたくさん産まないと子孫を残せないので、大きなメスが集まっているのかと思いきや、
オス個体の体長が113.2から70.3 mm、平均93.6 mm
メス個体の体長が108.0から74.5 mm、平均89.4 mm
若干メスの方が小さいですが、ほとんど変わらないようですね。

ほうほう、なるほど。
ちょっと調査をしてみると、これまで知らなかったことがわかり、ほくほくした気持ちになりました。

と思ったのも束の間!!!
よくよく調べてみると、すでに江の島で性比をきちんと調べた研究が論文として出ていました。それも360個体も調査した結果です。それによるとやはり、オスとメスで 9: 1になるようです。。。
私のなんちゃって調査では個体数が少ないので、きちんと報告された方が正しいのでしょう。論文の事前調査は重要ですね。

今回のクサフグの話はここまでです。
今後、クサフグの話がいくつあるのかというと、それはもう数え切れません。
なぜなら、これまでクサフグについて研究されていること、されていないこと、私が調べていることなど合わせれば、数えきれないほどあります。

とはいえ、さすがに次はクサフグではない話をしようかな。

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