最近の夜、肌寒い日が続いていますが、みなさん体調など崩されていませんでしょうか。
肌寒くなってきたときにみなさんが思い出す魚といえば、、、そう、フグですね。
フグの本場の山口県下関市の南風泊(はえどまり)市場では 9月25日、フグの初競りが開かれ、今年は 1kgあたりの最高額が22,000円となったようです。さすが高級魚です。
フグといえば、「毒」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
フグ食に関しては、縄文時代の貝塚からフグの歯の骨も見つかっており、非常に古くからフグを食べてきたことが分かっています。しかし、フグの毒で多くの死者が出ており、1598年に豊臣秀吉から「河豚(ふぐ)食禁止令」が出たほどです。その後、伊藤博文が山口県知事に対してフグ食解禁を働きかけ、1888年に解禁になりました。
ただ、現在でも多くの海外の方はわざわざ毒のあるフグを食べなくても。と思っている方が大半のようですね。
日本ではフグを食用に供する場合は、資格を持った方に有毒部位を除去してもらう必要があります。この資格というのは、国家資格ではなく現在は県ごとの資格です。
神奈川県では「ふぐ包丁師」、東京都では「ふぐ取扱責任者」、フグの本場山口県では「ふぐ処理師」と名称も異なります。以前は講習を受けるだけで資格が取れた都道府県もありましたが、現在は内容を全国統一できるように動いているようです。
ふぐ処理の資格試験は、大きく分けると学科および実技試験です。
学科はフグに関する知識のみではなく、衛生学などに関する試験も出題され、それにクリアすると次は実技試験。実際にフグをさばき、有毒部位と可食部位に取り分けます。もちろん、フグの種判別、臓器判別試験も行います。
ちなみに、この種判別および臓器判別に関して、、、私は余裕です。
フグ科魚類のほとんどは体内に有毒部位があり、単に魚をさばくのが上手ければよいかといえば、そう簡単にはいきません。フグは種により有毒部位が異なっているため、種を正確に判断できる目が必要です。しかし、フグにはよく似た種が多くいるため、素人目に見ると間違えることが多くあります。
しかも! 別種と別種同士が交雑してしまうこともあり、そうなってしまうとフグを見慣れている方でも判断に迷います。
ただし、私には交雑かどうかも容易に区別できます。
ここまで読んで、なんでこいつはこんなに調子にのっているのか。
と思ったそこのあなた。これを見てください。
私の唯一の自慢です。
私がフグ好きなのはタイトルから感じられたかと思いますが、フグについてのさまざまな知識を得たいなぁと思ったことから、受験し、無事合格することができました。もちろん名刺の肩書にも入れてもらいました(こっちの方が目的だったかもしれませんが、よく覚えていません)。
同じ好きなものでも、違う角度から見てみることで違った見方ができるようになり、その結果深まる知識や経験が得られることもあります。何事もいろいろな角度から見ることはとても大事ですね。
ではここで、フグクイズ!
↓このフグはショウサイフグです。
↓このフグはコモンフグです。
↓このフグはゴマフグです。
↓ではこのフグは?
正解はショウサイフグです。
みなさん合ってましたか? ショウサイフグは“えのすい”の相模湾大水槽で見ることができますよ。
クイズに正解しても、くれぐれも免許の無い方はフグを調理しないように!
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