2024年02月11日
トリーター:山本

待春の海にゆらぐ花影

私の大好きな魚、ハナビラウオ。今年も “えのすい” にやってきました。
以前、日誌 でも紹介しましたが、本種は幼魚の時期にクラゲと深く関わりを持つ魚で、現在クラゲサイエンスではミズクラゲと一緒に展示しています。

「花影」とは、月の光などによってできる花の影を表す言葉です。私はこの言葉を聞いたときに、ミズクラゲに寄り添うハナビラウオにぴったりの言葉だと思いました。
クラゲは海に月と書いて海月(くらげ)。
春を待つ海では月と花弁が・・・ なんか、こう・・・ いい感じに影を作っているのです(うまくまとめられなかった)。

さてそんなハナビラウオですが、風流な言葉とは裏腹に、性格は結構強気で、水槽の掃除をするときも怖がらずに手に近づいてきます。
ここ数年で何個体かの飼育を通して分かりましたが、どうやらこれは本種の性格のようですね。どの個体もそんな感じです。そして、一緒にいるクラゲをばくばく食べ、とんでもない食欲の持ち主です。いつも朝にきれいなミズクラゲを入れるので、午前中に展示を見ていただければ、がつがつクラゲを引っ張って食べているようすをご覧いただけるかもしれません。一生懸命食べている姿はかわいいですよ。

どの生き物もそうなのですが、本種は特に! みなさまにぜひ写真を撮っていただきたいです。
クラゲと魚の写真ってとっても映えるし、撮ってて面白いです。

私がよくわからないなりに撮った写真でも、すてきな感じになります。

クラゲ越し。どちらも透明だから光の加減が難しいのですが、こんな面白い写真も撮れます。

ハナビラウオの写真といえば最近、とあるご縁で世界的に有名な動物写真家の 水口博也さん に、本種の写真を撮っていただく機会がありました。
とてもきれいですてきな写真なので、この日誌でも紹介させていただきます。

ハナビラウオとミズクラゲの本来の色味が分かりつつ、ばっちりピントもあっていて、何だか表情も感じられます。ハナビラウオもなんだかうれしそう。写真で生物の魅力が伝えられるのって本当にすごいと思います。こんな写真が撮れるようになりたいなあ。

ハナビラウオの幼魚が展示できるのは、例年1月~3月くらいです。今いる個体もまだまだ元気! 華やかでかわいいその姿をぜひみなさまに見ていただきたいです。
そして、ちょっと難しいですが「花影」の撮影にもチャレンジしてみてください!

関連日誌
2022年03月06日 花弁魚
新しい生き物たち
待春の海にゆらぐ花影 「ハナビラウオ」展示開始

クラゲサイエンス

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