2024年11月30日
トリーター:花上

野生の鯨類

みなさん、こんにちは!
えのすいトリーターの花上です。

みなさんは海で鯨類に出会ったことがありますか?

鯨類(とくにイルカ)と聞くと、水族館を連想しますよね!
多くの方は野生の鯨類に出会ったことがないはずです。僕も鯨類の飼育員という立場ではありますが、野生の鯨類と出会った回数は両手で数えられるくらいです。

そして、純粋に気になることがあります。
「相模湾」にはどんな鯨類が生息しているのか…。

気になったら調べてみよう! っということでまずは相模湾での鯨類に関する記録を全てチェック!!
全部で500を超える記録がありました!シャチやシロナガスクジラもあります!
その結果、35種類もの鯨類が相模湾で記録されたことがありました! 世界には90種類以上の鯨類がいますが、そのうちの30%くらいは相模湾で発見されたことがあるようです!

ただ一つ問題があります。それは、「外洋で衰弱・死亡して、打ち上げられた鯨類」も記録として含まれているという事です。本来であれば相模湾へ入ってくることはなかった鯨類が多数いたのではないか…そう考えています。
僕が気になっているのは、「相模湾を利用して生息している鯨類がどれだけいるのか」です。細かいことですが、少し意味が違う気がしてもやもやします。

それにプラスして、僕は相模湾内ではほとんど鯨類を見たことがありません。それなりに船に乗って沖へと出てはいるのですが…。そもそも本当に、「相模湾」に鯨類がいるのか疑問に思うことすらあります。

「相模湾を利用して、生息している鯨類がどれだけいるのか」…これを知るためには、やっぱり実際の海へ出て、鯨類を探すしかない!! となりました。
そうして計画し始めたのが、「相模湾鯨類目視調査」です!!

まだまだ計画段階で、今年は準備期間とし、いろいろなことをやってきました!
今回は今年の成果(何度か相模湾外で目視調査を実施しました)を写真でお見せします!!

海上ではさまざまな生物に遭遇します。まず目につくのは海鳥たち! こちらはカツオドリです。鯨類を探す時にも大事な要素となるのが海鳥です! 海鳥が集まっているポイントは、餌となる小魚が多いということ。同じように小魚を食べるような鯨類も出現する可能性が高くなります! 鳥が集まっている下は要チェックです!

水面に目をやれば、まさに餌となる魚が! トビウオです!! 船の引き波に驚いて飛び出します。それを海鳥が狙って海中にダイブ!! 海上ではよく見かける光景です。ときどき、トビウオかと思ったら、トビイカのことも…。トビイカって聞いたことありますか? 気になった方、ご自身で調べてみてください!! 海には変わった生物がたくさんいるのです!

ようやく登場、鯨類です! こちらはハシナガイルカ! これだけで、この場所がどこだかわかった方は相当な鯨類通です!! 英名はスピナードルフィン。名の通り、しょっちゅう回転ジャンプをしています!

今度はクジラの登場! マッコウクジラです! イルカとクジラの違いについてよく聞かれるのですが、すごく簡単に言うと小さいクジラ(体長4m以下:諸説あり)のことをイルカと呼んでいます。こちらのマッコウクジラは体長10m以上! 正真正銘のクジラです!

こんな感じで、えのすいでは野生の鯨類についても調査を実施しています。
調査結果はフィールド調査にも細かく掲載していますので、ぜひご覧ください!!
みなさんにも野生の鯨類を一度でもいいので見てもらいたいです!!
海の見え方が変わるはず…!

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