いよいよあすで長かった船上生活も終わりです。
きょうは最後の潜航がありました。
水族館の展示用に活きの良いサツマハオリムシを採集しました。
さて、実はこれからが出張採集の大仕事です。
苦労して採集した生物を無事に水族館まで運ばねばなりません。
現在地は鹿児島、神奈川までかなり遠いです・・・ 。
まず、ハオリムシなど比較的丈夫な生物はビニール袋でパッキングして保冷剤とともに発泡スチロール箱につめ、クール宅急便で送ります。
こうすると早ければ次の日の午前中には水族館に届けられ、待ち構えているトリーターたちの手によって水槽へと移されます。
しかし、宅急便では弱ってしまうような生物は、直接手荷物で運搬します。
同様に箱詰めしてキャリーで引いて運びますが、大変なのが飛行機です。
最近はいろいろ物騒なので、空港では飛行機に液体を乗せることを渋る傾向があるようです。
場合によっては根気良く係員の方を説得してOKをもらわなくてはなりません。
交渉下手な私につとまるでしょうか・・・ 心配です。
今回の場合はコトクラゲが手荷物になります。
2年前に採集された時は、宅急便にして少し失敗したそうですから、今度こそ成功させなくてはなりません。
今後“えのすい”にいらっしゃった時に、コトクラゲが展示にされていたら、私が運搬に成功したのだと思っていただければと思います。
それではまたいつか、別ページのトリーター日誌でお会い致しましょう。
[きょうの写真]
なつしまに飛んできた極美巨大ゾウムシ(三宅さん採集)
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。