2022年12月18日

南星丸 錦江湾生物採集航海(3)
3日目(山本)

  • 期間:2022年12月16日(金)~2022年12月18日(日)
  • 場所:鹿児島沖(錦江湾)
  • 目的:サツマハオリムシ・タギリカクレエビの調査・採集
  • 担当:杉村・八巻・山本


錦江湾生物採集航海ー!!
初めての錦江湾!初めての南星丸乗船です!(きのう私は乗船人数の関係で置いていかれました…)!

なんていい景色!そしてまさかの雪!!桜島に雪が積もっていてとてもきれいでした。
本日の目的はズバリ
1.昨日仕掛けたタギリカクレエビトラップの回収
2.水中ドローンを使ったサツマハオリムシの採集
です。ではいってみましょう。

出船です!
ポイントまでの移動中、海を見ると…虹!!

めちゃめちゃいい写真が撮れました。
もちろん遊んでいるだけではありません。移動中、きょうの乗船でおこなう作業の準備をします。

杉村トリーターはきょうのために水中ドローンのアーム部分に特別な加工をしておりました。さてさて、いろいろうまくいくでしょうか…!

1.きのう仕掛けたタギリカクレエビトラップの回収
ポイントに着きました。トラップを回収する前に、まずは水中ドローンで海底のようすを見にいきます。錦江湾は地形の特徴から海底の環境が比較的穏やかで、トラップはきのう沈めたところにちゃんとありました(大体100mくらいのとこ)。水中ドローンから送られてくる海底の映像には、時折ヒトデ(何ヒトデ?)や魚(カサゴの仲間)、クラゲ(チョウクラゲの仲間)の姿が映り、次は何がくるだろうとすごくわくわくしました!
無事にトラップの位置やようすも確認できたところで、さっそく引き上げていきます。さてタギリカクレエビは入っているのでしょうか。

ひとつめ。小さいカサゴの仲間とタギリコノハエビというエビが捕れました。タギリカクレエビはおらず。うーん、残念。次!

ふたつめ。空振り…。一回目と同じように、採れたのは大量のタギリコノハエビ(本種については過去の調査航海日誌をご覧ください!→鹿児島湾及び周辺海域調査航海(7)。これはこれで面白いのですが…。残念ながら今回タギリカクレエビは採集できませんでした…。毎回なんやかんやで 1匹は採れるらしく、それを聞いてしまうとじわじわ悔しさが沸き上がってきます。タギリカクレエビは、ハオリムシと同じところに生息するエビです。どうやら、今回トラップを仕掛けた場所がハオリムシの群生地から少し離れたところだったようで、タギリカクレエビたちに気付かれなかったみたいです。よくよく考えたら深さ100mの場所に狙ってドンピシャで物を落とすことって難しいですよね。深場の調査の難しさを体感しました。

2.水中ドローンを使ったハオリムシの採集
さて、気を取り直して 2つめのミッションです。水中ドローンは映像が撮れるだけではありません。アームが付いており、海底の生物を直接採集することができるのです。今回は、この水中ドローンを使ってハオリムシの採集に挑戦です。

画面を見ながら上昇・下降・旋回などなど、操作はプ〇ステのようなコントローラーでおこないます。家が任〇堂派だった私にはあまり馴染みのないコントローラーでしたが、本当にゲーム感覚で操作をすることができます。ちょっとだけ触らせてもらいましたが、楽しいです。
ただ、これを岩などがごつごつした海底で正確に動かすのはとても難しく、練習が必要です。

さすがの杉村・八巻トリーター。連携をとりながら、ばっちりハオリムシの群生地にたどり着きました。

すごい。たくさんいます。こんな感じで暮らしているんですねー。この風景、写真では見たことがありましたが、実際に船上で見るとなんだか迫力があります。この中から水族館で展示するためのハオリムシを採集させてもらいます。

ウィーン、ガシッ!げっと。アームで掴み、ドローンごと一気に海上まで引き上げます。


見事水深100mからサツマハオリムシを採集することができました。案外難しく、とても効率良く!…とはいえませんが、ちゃんとこの方法で採れることが分かりました。次回への改良点もたくさん見え、実りのある挑戦でした!
ということで、これにて本日予定していた作業はすべて終了です。


帰るころにはすっかり晴れて、朝よりも桜島がきれいに見えました。見るものやることすべてが初めて。上手くいかなかったこともありましたが、乗船する前よりも少しだけ成長できたような気がします。いろいろなことを教えてくれた錦江湾と南星丸、かごしま水族館のみなさまに感謝です。でもまだまだ自然と触れ合い足りない!そんなことを改めて思った航海でした。すべての経験を今後の展示に活かしていきたいと思いますので、今後もご期待ください!


鹿児島大学、かごしま水族館との共同研究

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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