今年度に入ってから調査採集にでかける機会が増えました。 今回は、横須賀市の荒崎海岸で調査採集をおこないました。 荒崎海岸は、以前、プライベートで一度だけ夜間に行ったことがあるのですが、明るい時間帯に行くのは初めてです。 どんな景色を見ることができるのかわくわくです。 今回は西川トリーターと一緒に調査採集に行ってきました。
ちょうど台風が近づいていた時期でしたが、この日は快晴、波風も穏やか。 日差しは強いものの、「猛暑」というほどの気温でもなく、天候には恵まれました。 ただ、ウェットスーツに着替えると一瞬で汗だくに…。 水温が 27~29℃ほどのため、水中にいる方が心地よく快適です。
今回の採集の目的は、相模湾ゾーンの潮溜まり水槽に展示する生き物の採集。 それに加えて、実際の海のようすを自分の目で見て展示のイメージを膨らませること。
採集をしながら、水中のようすをよく観察しカメラに収めていきます。
それではさっそく水中をのぞいてみます!
・・・濁ってはいますが、全く見えないというわけではなさそう。
まずに目に入ってきたのは、そこらじゅうに生い茂るウミウチワ。
前回調査採集 にいった 燈明堂海岸 にもたくさん生えていましたが、荒崎海岸の方が圧倒的にたくさん生えています。 なかには直径 70cmくらいの大きなウミウチワも生えていました。
ウミウチワの間からは、ギンポやハゼの仲間がのぞいていましたが、すばしっこくて捕まえるのは一苦労です。
少し深いところにいくと、クロホシイシモチの群れに出会いました。
私が見たのはせいぜい 30匹ほどの群れでしたが、西川トリーターはなんと 1,000匹を超える群れを見たそうです!
採集のポイントを変えてみると、こちらではまた違う景色が。
岩場の隙間にたくさんいるのムラサキウニです。 踏まないように気をつけながら移動します。
そしてこちらでもクロホシイシモチやニシキベラなどが。
また最初のポイントでは見ることができなかった、ソラスズメダイもたくさんいました。
鮮やかな青色がとても美しいですね。
ソラスズメダイやクロホシイシモチなど珍しい魚ではありませんが、自然の海の中で群れて泳いでいる姿は印象的でした。 身近な海で見られる身近な魚たちを、水槽で魅力的に展示できたらいいなと思っています。 また、魚だけではなく海藻や無脊椎動物も多く見られたので、そんな実際の海のようす再現していけるよう、これから試行錯誤していきます!
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。