2025年08月22日

燈明堂海岸 調査採集

  • 期間:2025年8月22日(金)
  • 場所:神奈川県横須賀市 燈明堂海岸
  • 目的:生物調査採集
  • 担当:園山・吉田


燈明堂海岸へ調査採集に行ってきました。 今年の6月 以来なので約2か月ぶりです。
天候は晴れ、気温は 34℃。 地上では一瞬で汗だくになるほどの暑さですが、水の中はいくらでも潜っていたいくらい心地よかったです。 海況は波もなく穏やかでした。

潜ってみると水中は濁っているものの、8月の強い日差しのおかげで比較的視界は悪くなさそうです。 浅場は陽が差し込み、海底がきらきらと光っていました。 夏を感じますね。

まず目についたのは、波打ち際を覆う海藻類です。 前回まではあまり見られなかったアオサやミル、おなじみのオオバモクが生い茂っていたほか、流れ着いた紅藻類で覆われていました。 逆に前回たくさん生えていたウミウチワはほとんど見られず・・・。 これだけでも随分とようすが変わったように感じます。

もう少し深いところへ進むと、かわらずアマモが密集していましたが、2か月前と比べると何かにかじられてしまったのか、どこもかしこもアマモの葉が短くなってしまっていました。 ほとんどが2か月前の半分以下の長さになっており少し心配です。

アマモアマモ

アマモの隙間ではキヌバリやアミメハギ、サビハゼ、カミナリベラ、キュウセンなどおなじみの魚たちが見られました。

キヌバリキヌバリ

また、今回、コロダイやアイゴの幼魚やアオリイカの卵・稚イカの群れなども見られました。中でもクサフグの稚魚の群れが印象的でした。


動画に収めることができなかったのですが、確認できたクサフグは数千匹を超えており、群れがまとまって泳ぐ姿に感動してしまいました。

アマモはさまざまな海洋生物が産卵し、稚魚の隠れ家となったり成長の場となったりすることから「海のゆりかご」とも表現されますが、そのことを実感する採集でした。
一方で、相模湾のアマモは衰退し、生息状況は壊滅的といわれています。 展示を通して、自然界でのアマモ場の重要性を伝えるとともに、相模湾のアマモ再生の一助となるよう、フィールド活動を続けていきたいと思います。


※今回の採集は、事前に横須賀市東部漁業協同組合に許可をいただいたうえで実施しています。

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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