前回から 1か月も経っていないのですが、またまたやってきました。今回の相方は加登岡トリーターです!
予報では、朝から風が強く吹くと聞いていましたが、到着すると思っていたよりも海は穏やか。猛暑が過ぎ去り、天気もよく、気温・水温ともに快適です。
と、ほっとしたのも束の間。
潜ってみると、水中はかなーり濁っていました。
場所によっては 1m先が見えないほどです。足元も見えないため、いつも以上に安全に気を付けながら採集をおこなっていきます。
まず出会ったのは、毎度おなじみのクサフグやキュウセン、カミナリベラたち。水中で種まで同定できませんでしたが、数十匹ほどの稚魚が群れて泳いでいる姿もよく見かけました。
そして前回に引き続き、よく目についたのがこちら。
大きさは 5~ 10cmほど。相模湾大水槽でも展示しているある魚の稚魚の姿ですが、何の魚かわかりますか?
正解は・・・コロダイです! 成魚とは似ても似つかない姿ですよね。私も初めて見たときは何の魚だろうと思いました。稚魚のときは、写真のように黄色と黒の縦縞模様の体で、泳ぎ方もくねくねとしていて特徴的ですが、成長すると銀色の体に小さな黄色の斑点模様の姿になります。成魚の姿が気になる方は、ぜひ相模湾大水槽で探してみてください。
さあ、そして今回のアマモ。
先月採集に来た際には、食害によるものか葉の長さが短くなってしまっていましたが、今回はどうでしょうか、、、
・・・残念なことに、先月よりもさらに短くなっています。
長いものでも 15cmほどしかありません。潜水中ちらほら見かけたアイゴたちの仕業でしょうか、、、
さらに濁りの影響もあってか、アマモの葉間の生物も随分と数が減ったように感じます。 6月末までたくさん見られていたチャガラやヨウジウオたちはどこへいってしまったのでしょう、、、
葉は短くなっているものの、砂に埋まっている根の部分をみてみると、しっかりと地下茎は伸び、根も張っているようでした。
アマモには、一年生と多年生の 2つの表現型が存在しており、多年生アマモの場合は基本的に地下茎から新しいアマモの芽が出て増えていきます。東京湾や相模湾には多年生アマモが多く生えているため、根がしっかり残っていれば、基本的にはなくなることはないはずです。来年、またにぎやかな燈明堂海岸のアマモ場が見られるよう祈りたいと思います。
今年の 5月から月 1回ほどのペースで燈明堂に行っていますが、初夏には、アマモがよく成長しており、アマモの葉間にはチャガラやヒメイカ、トビイトギンポやカギノテクラゲがよく見られました。一方、夏から晩夏のこの時期はアンドンクラゲやコロダイの稚魚、アイゴ等が目につくようになり、アマモの葉はすっかり短くなってしまいました。
これが毎年のことなのかどうかは、採集や調査を続けていかなければわからないので、引き続きデータを収集し蓄積していきます。そして、その結果を展示水槽へ反映させていきたいと思います。
これからもみなさんにアマモのことが伝えられるよう、展示水槽での育成を頑張ります!!!
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。