2010年08月05日
トリーター:根本

深海コーナーの裏では その 7


“えのすい”のハオリムシは赤いエラこそ出していませんが、しっかり成長を続けています。
ハオリムシの管はよく見るとラッパが繋がったような構造をしていますが、その成長の印がその先ちょに見られます。
よ~く観察するとラッパのいくつかが白っぽくなっている個体がいます。その白いところが“えのすい”に来てから伸びたところだと思うんです。
持って来たときは白い個体はいなかったですからね。
きっとそうです(今度ちゃんと調べます・・・)。
ただ、伸びるのはラッパ型の方ばかりではないんです!反対側の根っこの方もぐんぐん伸びていくんです。
こちらの方がニョロニョロとラッパの方より長く伸びて行きます。植物の根みたいです。
そして、採集の時に根っこの方でちぎれてしまったハオリムシであっても、ちゃんとヒョロヒョロと再生してくるのもわかってきました。今後はこのあたりをいろいろと調べてみようかな~と思っています。

さて、このハオリムシ、いったい何年生きるのでしょう?
研究者によってさまざまです。
一つの例では寿命が 170年や 250年だといわれています。もしそれが本当ならば 22世紀、長生きすれば 23世紀まで飼育を続けることになりそうです。
リクガメなどでは、ダーウィンが 1835年くらいから飼育していたガラパゴスゾウガメが友人や動物園などの手にわたりつつ飼育され続け、なんと 2006年まで生きていたそうです。
我々も今のうちにじょうずな飼育方法を見つけ出し、ハオリムシも同じように末永く生かしたいですね!

寿命についていろいろ調べてみると、他にも長寿といわれる動物はたくさんいるもんです。
ダイダックというミルガイでは 160年生きるといわれていて、ウニも 200年生きるのもいるそうです。
ホッキョククジラでは 150~ 200年、コイも 200年も生きたものがいたそうです。
そして更に上を行くのはハマグリ。なんと 400年も生きた物がいたそうです!
“えのすい”のシロウリガイは何年生きるんでしょうか?
オトヒメハマグリ科とハマグリつながりで寿命 400年のハマグリ並みに長く生きるのでしょうか?
私たちは飼育 2か月で記録更新!万歳!なんて喜んでいますが、彼にしたら 2か月なんて一瞬にも満たない時間のかもしれないですね。

とにかく、私たちは全力で飼育するのみです!
まだまだ小さいチビシロウリガイですので先は長そうです!
とりあえず、夏を無事過ごしてほしいです。
最近では暑すぎて設定した 4℃にまで水温が下がらなくなって来ています・・・。

現在 6℃前後。耐えるんだシロウリガイ!

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これは標本です (C)JAMSETCこれは標本です (C)JAMSETC

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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