梅雨明けは待ちきれず、セミたちの鳴き声がにぎやかになってきました。
今月紹介するのは、先月の“磯の王者”イシダイに続いて、近縁種のイシガキダイ(Oplegnathus punctatus)です。
イシガキダイは南日本沿岸の岩礁周りに生息している魚で、石垣を組んだような黒い斑紋が特徴で、80cm以上にまで成長します。
イシダイと同じように、鳥のくちばしのような形に細かい歯が重なり合った、硬くて頑丈な歯で、巻貝やウニ、甲殻類などの硬い殻を砕いて食べてしまいます。
雄は老成すると特徴的な石垣模様が薄れて、口の周りが白くなってくることから、クチジロと呼ばれることもあります。
イシダイ同様に、お刺身や塩焼きなどでおいしくいただけるのですが、地域によっては、食べ物由来のシガテラ毒を蓄えた個体がいることが知られていますので、注意が必要です。
致命的ではありませんが、触覚に関わる神経に後遺症が残りやすい毒なので、南方系で大型のものは、食べない方が無難です。
イシダイとかなり近縁の魚で、姿形だけではなく、習性もよく似ています。
この2種類はとても賢い魚で、いろいろなことを覚えて、水族館ではショーにも参加してくれます。