みなさんこんにちは!八巻です。
久しぶりにコトクラゲが展示に帰ってきましたよ~!
きょうから皇室ご一家の生物学ご研究で展示開始です!
コトクラゲは知っている人は知っている?
ウサギの耳のようなかわいい姿をした深海生物です。
実は昭和天皇が江の島沖でご採集された個体を元に新種として報告されていて、皇室ゆかりの生き物でもあるのです。
昨年、一昨年とFullDepth社との共同研究として続けてきた、水中ドローンDiveUnit300を用いた調査。
トリーター日誌でもこれまで何度かご紹介しています。
[2020年01月23日 シロウリガイ探査プロジェクト]
[2020年09月01日 相模湾旬の魚図鑑 3rd season その8 ナガレメイタガレイ]
[2022年03月21日 水中ドローン調査ライブ中継!]
本調査はここしばらく江の島の沖に位置する大陸斜面域でおこなっていて、先月は調査のライブ配信イベントもおこないました。
なぜこの海域の調査を続けているのかというと、単純に面白いからです!
というのも、これまでの調査で、少なくとも 9動物門 175種類の生物を確認していて、周囲の砂泥底と比べると明らかに生物多様性の高い海域ということが分かってきたのです。行くたびに新しい発見があるので毎回、目が離せません。
コトクラゲは初めて昭和天皇がご採集されてから 79年もの間、当海域を含め、相模湾では発見や採集の記録がありませんでした。しかし当館とFullDepthとの本共同調査によって、2020年、79年ぶりに確認することができたのです。
それから調査を続けていくうちに、合計 6個体を確認。これまでとても珍しいとされていたコトクラゲも、実は当海域では普通に見ることのできる生き物であることも分かってきました。
江の島にゆかりがあり、江の島沖で普通に見ることができる生き物ということであれば、江の島近海を代表する生き物といっても過言ではありません。
そんなコトクラゲに、今回の調査でも出会うことができ、確認個体数は 8個体に増えました。
今回は潮の流れが速く、海底でほぼ真横になびいており、潮通しのよい海域で生活するコトクラゲの生態を直接観察するとても貴重な機会となりました。
とても柔らかい体をもちながら非常に速い潮の流れに負けることなく海底の基質にはりつく姿はとても印象的でした。
今回は皇室ご一家の生物学ご研究のクラゲコーナーで展示しているため、間近でじっくりと観察することができます。
この機会にぜひ、見に来てください!
既に知っている方も、今回初めて知った方も、きっとコトクラゲが大好きになるはずです!