2025年09月15日
トリーター:八巻

第96回動物学会名古屋大会「動物学ひろば」に出展してきました!

先日 9月6日(土)に、第 96回動物学会名古屋大会のイベントとして開催された「動物学ひろば」へ出展してきました!
「動物学ひろば」は、日本動物学会大会と同時開催されている一般公開行事のひとつで、広く一般へ実験動物に親しんでもらうための催しです。
今回は先日のD-ARK航海で採集した生き物たちの展示と、D-ARKプロジェクトの紹介・普及を目的として、JAMSTECさん、FullDepthさんと共同で出展しました。
私自身名古屋に行くのはかなり久しぶりでしたし、元々土地勘もない場所なので、どんな場所なんだろうとわくわくしながら、前日の 5日(金)に会場入りしました。動物学会も学生時代以来の 15年ぶりくらいです。今回は「動物学ひろば」のみの参加ですが、動物を扱う研究者の方を中心にさまざまな方が集まるとても大きな学会なので楽しみでした!

「動物学ひろば」の会場となった「ポートメッセなごや」の展示場はとても広く、「動物学ひろば」の他にも企業ブースや動物グッズを扱うショップ、高校生のポスター発表会場もあり、広い会場全体で、さまざまな一般公開行事を楽しめるようになっていました。

「動物学ひろば」の会場となった展示場「動物学ひろば」の会場となった展示場

私が到着した時にはすでに私たちのブースに荷物が到着していて、係の方が運んでくださったようです。水槽に入れる海水も届いていて、海水は名古屋港水族館さんが分けてくださいました。ありがとうございます!

ブースに届いた荷物と海水ブースに届いた荷物と海水

今回は水槽用クーラーや水槽の専用箱を作り、発送準備に時間がかかってしまった南大東島の移動水族館の時(南大東島で深海洞窟探査プロジェクトD-ARK特別イベントを実施しました!)の反省点を活かして、よりスムーズに設営撤収ができるようにしました。
今回持ってきた水槽は南大東島の時と同じ 60㎝水槽ですが、小さい生き物が見やすいように、5つの 10cmのキューブ水槽を入れ子にして、ゆせんで水温維持をすることにしました。そして前面に四角く穴をあけたパネルを設置することで、小窓水槽の出来上がりです!

小窓水槽小窓水槽

生き物は翌朝、霜鳥トリーターが持ってきてくれる予定ですので、水槽の設置までが前日の準備です。
他に、D-ARKプロジェクトで発見した新種・希少種の標本や写真、D-ARKプロジェクトの紹介ポスター、今回観察した生き物や深海洞窟「ピッグ・ノーズ」や「ラビリンス」を紹介する写真パネル、また水中ドローンのモックアップ機を設置して、前日の準備完了!

準備完了!準備完了!

翌朝は 10時から開場です。9時ごろに会場入りすると、水槽はすでに設定の 7℃に冷えていました。そして間もなく生き物輸送隊の霜鳥トリーターも生き物たちと一緒に到着!
今回の展示生物は、フルイサンゴ科の一種、コシオリエビ科の一種、ウミグモ綱の一種、アカサンゴスナギンチャク属の一種、カイカムリ科の一種の 5種類です。
生き物が入ると水槽がとても映え、早速開場前から他のブースの出展の方々が見に来てくださいました。やはり生体はみなさんの興味を引くようです。

小さな生き物もよく見える小窓水槽小さな生き物もよく見える小窓水槽

いよいよ開場すると、本当に老若男女、たくさんの方々が見に来てくださいました。小窓水槽は観察しやすいと評判もよく、みなさん興味を持って見てくださいます。じっくり観察してくれますし、説明もしやすいです!

完成したD-ARKブース完成したD-ARKブース

写真パネルも多めに持ってきたのですが、全て並べることができ、展示している水中ドローンが深海洞窟へ入っていくようすを写真パネルで説明するなど、とても効果的に使うことができました!

写真パネル写真パネル

水中ドローンに興味を持つ方も多く、小さくても水深 1,000mまで潜ることができるということや、掃除機のようにサンプルを吸って採集できることなど、興味深く聞いてくださいました。
10時から 16時までと長丁場でしたが、とても楽しく過ごすことができました!

水中ドローンとD-ARKプロジェクトで発見した新種・希少種水中ドローンとD-ARKプロジェクトで発見した新種・希少種

今回の「動物学ひろば」では、「動物学ひろば」へ出展している機関とクッキー屋さんとがコラボして、マニアックな動物のクッキーを作るということにも挑戦しました。
コラボしてくださったクリマロさんは、普段からとてもかわいい動物クッキーを作っています!
D-ARKプロジェクトで見つかった希少種、新種のホラアナヒスイヤセムツやダイトウヒメクマノアシツキ、ダイトウキノボリヒモムシ、そして、今えのすいでD-ARK関連生物として深海 I で展示中の、シンカイウミウシ属の一種など、私たちもマニアックな生き物をかわいいクッキーにしてもらいました!
クッキーの写真はクリマロさんのホームページで見る事ができます!
もちろん私も個人的にD-ARKのなかまや他のかわいいどうぶつクッキーを購入! 連れて帰っておいしく食べました(笑)

「動物学ひろば」で登場した生き物たちは、「動物学ひろば」のとき同様、小窓水槽で観察しやすくして、順次展示に出していく予定です!

引き続き、調査も展示も頑張っていきます。乞うご期待!

D-ARK(Deep-sea Archaic Refugia in Karst)

本プロジェクトはオーシャンショット研究助成事業の助成を受けています。
オーシャンショット研究助成事業は、日本財団の助成を受けて笹川平和財団海洋政策研究所によって実施されています。

RSS