2025年11月13日

三崎臨海潜水調査 11月

  • 期間:2025年 11月 13日(木)
  • 場所:東京大学大学院理学系研究科附属三崎臨海実験所 周辺海域
  • 目的:潜水生物調査
  • 担当:山本・園山

少し前になりますが、最近なにかとお世話になっている「東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所(以下「三崎臨海実験所」)」(2025年 8月 6日のトリーター日誌)の周辺で潜水調査をさせていただきましたのでご報告します!
この調査では、相模湾にどんな生き物が暮らしているのかをより深く知り、私たちの展示に生かすことを目的としています。本当は 9月に潜る予定だったのですが、海況の関係でリスケ(また!)しておりました … ので、やっと潜れるー! とわくわくしながら当日を迎えました。さて、普段潜っている江の島の海を飛び出して、同じ相模湾でも違う場所を潜ったらどんな感じなのでしょうか。

相棒は 1月ぶり(2025年1月14日のフィールド調査)の園山トリーターです。今回はウェットスーツなので、水浸しになる心配はありませんね(笑)そして今回の潜水では、三崎臨海実験所の幸塚さんと川端さんにご協力いただきました。お二人とも、本当にありがとうございました!

それでは張り切っていきましょう! ボートで少し陸から離れたところから 1地点目にエントリーです。

潜った瞬間、私は思わず水中で「すごーーーーーーい!」と声をあげてしまいました。水深 5~ 10 mくらいのところにカラフルな八放サンゴ類の群体が数えきれないくらい生息しており、海底がなんだかもこもこしています。

普段潜る磯場は、岩が切り立ったような感じなのですが、このポイントは段状に岩があるものの、おおむね江の島と比べるとなだらかな地形が続いている印象です。

江の島でも見られるフトヤギ属や、前回の潜水で見たノウトサカの仲間(おそらくユビノウトサカ)のずっとずっと大きい群体など、さまざまなサンゴを見ることができました。

二人とも夢中で写真を撮ったり観察をしたり、気付けば小一時間ほどが経過していました。

さて、次は少し離れた 2地点目にエントリーです。

こちらのポイントは磯場と砂地が混じっています。先ほどと変わってぱっと見た感じ八放サンゴ類はそんなに見られず、1ポイント目よりは馴染みがある印象です。

私たちダイバーは、岩が接地面よりも手前にせり出している部分のことを「オーバーハング」と呼んでいます。ここはまさにそんなポイントがあり、陰になっているところをのぞいてみると …。

一面にイボヤギ類! 光の当たらない場所に生息するサンゴの仲間です。この風景も江の島では見たことがないですね …!


また、少し離れたところにはサンゴイソギンチャクの大群が!


この量、すごくないですか?? 岩肌でモサモサしているものがすべてそれ。巨大なじゅうたんのように広がっており、圧巻でした。


最後に園山トリーターが岩の隙間にいたハリセンボンを手で捕まえて(メモリがなくなってしまい、この時のようすを撮れませんでした…!ハリセンボンはすごく怒って膨らんでいました。)、潜水終了です。




2本の潜水を通して、タカノハダイやイシダイ、カゴカキダイ、ハコフグ、ウツボ、トラウツボなど、見られた魚に大きな違いはありませんでした。しかし、私は江の島の浅場でこんな風景を見たことがありません。「どちらが豊かな海か」といわれるとまた別の話になってしまいますが、同じ湾でも場所が変わるだけでこんなに環境が違うということに本当に驚きました。「相模湾」を正確に伝えるためには、もっといろいろなところを潜って自分の眼で見なければ …!


今回も撮影した映像で動画を作成してみましたので、ご覧いただけるとうれしいです。普段の江の島の映像とは全然違いますよ!

最後になりましたが、とても良い経験をさせていただいた三崎臨海実験所のみなさまに、この場をお借りして改めてお礼申しあげます。今後もぜひ一緒にいろいろやっていきましょう! またよろしくお願いします!

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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