2023年07月15日
トリーター:島森

動物のために。ゼロからのモノづくり。

このお話も今回が最後。みなさま、あと少しお付き合いください。
さて、今回は試作品から完成までのお話です。

いろんなデザイン案を出していただき、試作品づくりが始まりました。
初めて試作品が届いたときは、少し興奮しました。自分の目の前に理想のバケツがある。これだけでなんとも言えない気持ちになりました。
しかしこれは試作品。まだ完成したわけではないので、ここからが大切。
実際に魚を入れて給餌したり、腰に装着して走って飛び跳ねたり、ショーの中でやりそうな動きをやってみます。それから餌の状態を把握するために、温度変化を計測したり、細菌の検査をしたりしました。
ステンレス製にすることで、氷がステンレス容器を冷やしてくれるので、ショーの時間も温度を保つことができ、バケツの中の細菌数も安全基準値内であることもわかりました。
しかし、穴を小さな魚がすり抜けてしまったり、魚の重さに一部のパーツが耐えられなかったりと問題も出てきました。

この結果をもって再びタカツクラフトのみなさんと話し合い、穴の大きさや一部のパーツの太さの変更をしながら試作品第2弾、第3弾とつくっていただきました。
そしてついに、試作品第3弾の「バケツ」を生産へ。

タカツクラフトのみなさんが“えのすい”まで届けに来てくださり、今年の3月に完成したバケツは納品されました(^^)
やったぁ!! ここへ辿り着くまで約5年の年月がかかりました。
あきらめかけた想いもこんな風に形にできて、さらに動物のためになる形になって本当に本当にうれしく思います。

納品されてからは、ショーで使用できるように、ショー制作チームのスタッフがバケツの周りに加工を施してくれました。その後トリーターもこの使用感に慣れるため、約2か月間、ショー以外の時間に実際に使用して慣らしていきました(今までのバケツに比べると重量が増えたので、慣れが必要になるんです・・・)。

なかなかみなさんのお目にかかれなかったバケツも、7月15日からショーでも使用開始!!
ぱっと見た感じは今までと変わらないバケツですが、動物のためにゼロからつくり、トリーターのこだわりが詰まった「バケツ」。ショーをご覧になるとき、よかったらトリーターの腰についているバケツにもぜひご注目ください♪

バックナンバー
2023年05月12日 動物のために。ゼロからのモノづくり。
2023年04月09日 動物のために。ゼロからのモノづくり。

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