2025年06月29日
トリーター:加藤

ヒナはもうすぐ独り立ち

ヒナのことが気になって仕方がないそこのあなた! お待たせしました。 自称フンボルトペンギン ヒナ担当の加藤です。
残念ながらヒナはもうヒナではなくなりました!(え?どういうこと?)
というのも、ヒナ特有の綿羽が抜け落ちて、今では水をはじく羽が生えています。 ここまで成長するともう立派な幼鳥です(けれども名残惜しいのでここではまだヒナと呼ぶことにします)。
4月 20日に孵化したとき 99g だった体重は 最大 4,400g になり、もうおとなの体格です。
群れに混じるとどこにいるのか探すのが難しくなります。

こんな感じで。

幼鳥を見慣れたあなたならばすぐにわかると思います。 中央上のほうにいますね。
(白黒ツートーン模様がないのが幼鳥の特徴。 1年後に生え変わります。)

いつの間にやら、すっかり泳ぎも上達しました。 私たちトリーターは親心のようなものが芽生えがちでして、孵化の瞬間や初めての入水など、記念すべき出来事をいつも楽しみにしています。
孵化した日は休みで立ち会えなかった自称ヒナ担当の私は、初めての泳ぎこそは見逃すまいと、それはもう注意深く観察していました。
ヒナは巣の外を出歩くようになり、水際へと行動範囲を広げ、そしてある日、水の中をのぞき込んでいるではありませんか! これはもう泳ぐぞ!
その瞬間を心待ちにしていたのですが、あろうことか私は夏風邪をひいてしまいました。そして寝込んでいる間に連絡が、「さっき泳いだよ~」と。
孵化に続いて初泳ぎまで立ち会えなかったことに涙しながら後日見た動画がこちらです。


ハプニング的にプールに入っちゃった感じですが、ペンギンたちも最初はこんなものです。
翌日にはもうペンギンらしく普通に泳げていたんだとか(まだ私は寝込んでいました)。 今では群れに混じってじょうずに泳いでいるのでぜひ探してみてください!

さらにもうひとつ大きな変化がありました。
ヒナが「声変わり」し始めたんです。 これもヒナから幼鳥への成長の証です。
高い声でピーピー鳴いていたヒナは体が大きくなるにつれて低い声になってきました。 こちらも動画でご覧ください。


最大 4,400g あった体重は現在 4,000g まで落ちてきました。 これは「フク」と「マーチ」が餌をあげなくなってきたということです。
実はこれは良い傾向です! 早く巣から出ていきなさいと言わんばかりに外に連れ出すようになり、お世話をしなくなってきました。 こうやってペンギンは巣立っていくのです。
けれどもまだ甘えがちなヒナは、餌をあまりもらえなくなってきて必死におねだりしています。 低くなった声と必死さがなんとも心苦しく聞こえますが、これも成長過程のひとつです。

これから先、魚をトリーターの手から食べるようになり、親元を離れると独り立ちです。 きょうも試しに魚を見せてみたのですが全く興味を示しません。 これは時間がかかる予感…
自称ヒナ担当の私が今度こそ、記念すべき初魚を達成できるかどうか、続報をお待ちください。 ヒナの独り立ちまで変わらず見守ってもらえるとうれしいです!

ペンギン・アザラシ

RSS