自称ヒナ担当の加藤です!
6月29日のトリーター日誌「ヒナはもうすぐ独り立ち」では、ヒナは育ての親から魚をもらう頻度が減り、体重も徐々に落ちてきて、いよいよトリーターの手から魚を食べるときがやってきそう…そしたら独り立ちだなぁとしみじみ書いていました。
それから約 2か月が経った今、どうなったかというと、まだ独り立ちしていません! 私たちもずこーっですよ! 体重4,000gまで落ちてスマートなボディになったかと思いきや、見事にリバウンドをかましまして4,600gに! 何気に最高記録更新しちゃってます。これでは私たちが魚を見せても一向に食べてくれません。しっかりおねだりして「フク」と「マーチ」から魚をもらっているからです。ペンギンは子育てが終わると換羽期を迎えます。これを踏まえて下の写真を見ると、おかしな点に気がつきます。
奥に換羽真っ最中の「フク」、手前にまもなく換羽する「マーチ」、そしてリバウンドしたヒナ(もう幼鳥)がいます。このヒナは魚ほしさに勢い余って首が巣に入っちゃっています。換羽中の育ての親にまで魚をねだるわけですから私たちの方なんて見向きもしません。「フク」と「マーチ」はもういいでしょ… と言いたげながら仕方なくヒナにあげているように思えていました。この期間がずーっと続いていたので、これほど続報が遠のいていたのです。
私たちはどうしようかと頭を悩ませていました。もういっそのことヒナを引き離して断食修行させるかという話まで出ました。ところが、それからまた徐々に体重が落ちてきて、気がつけば 8月13日、ついに3,960gとなりました。私たちは電光石火の判断でヒナを捕まえて親から離れ、魚を見せます。食べません。くちばしを開けもしません。
ほほぅ、それならばこちらにも考えがある。ヒナを股に挟み、左手でくちばしをつかみ、右手で魚を喉元まで差し込む。これが強制給餌です。言葉だと乱暴な印象になってしまいますが、魚を食べさせるための重要なきっかけです。ヒナもヒナで「やだ! 人間からは決してもらわないぞ!」と必死の抵抗を見せます。それでも食べてもらわないことには今後の独り立ちがさらに遠のいてしまう。あとはもう根比べです。股に挟まれながらも少しずつ自分で魚を飲み込むようになってきたのは 4日後のことでした。この調子だとまだまだ時間がかかりそうです。
みなさん。ここで忘れてならないのは、私は孵化の瞬間や初めての泳ぎなど、メモリアルな出来事をことごとく見逃しているということ。トリーターの手から魚を食べる最初は今度こそ私でありたい。そう意気込んでいました。そうして私は 2連休に入りました。そして動画が送られてきました。
ヒナはトリーターの手から魚を食べていました。 ~終~
これも運命でしょうか。ヒナ担当を自称したのがいけなかったのでしょうか。悲しいです。けどいいんです。ヒナが成長してくれたから。
8月21日。はい!! 慣れましたぁぁぁ!! 先ほどの動画の翌日ですよ。周りを気にせず寄ってきました。これほど早く慣れるペンギン、初めてです。トリーターから魚をもらうことを覚えて、すでにトリーターを見つけるとちゃんと近くに来るようになっています。信じられない。さらにおとなペンギンが食べているときに自然と一緒にいます。物怖じしない性格なのか、人生 2週目なのか、すごい子ですよ!
3月10日に産卵があり、 4月20日に無事に孵化して、ここまで本当に長かった。いまだに「フク」と「マーチ」からこっそり魚をもらっていることは目をつむって、独り立ち(ということにします!)の喜びをここに書き連ねてみました。
そして最後にお知らせです! ようやく独り立ち(?)したこの子の愛称を募集しています!
「フンボルトペンギンの愛称募集」
振り返るといろいろありましたが、ここまで立派に成長したヒナを見て、すてきな愛称を考えてもらえたらうれしいです。よろしくお願いします!
自称ヒナ担当より