こんにちは、藤田です。
8月もあっという間に終わってしまいました。
まだまだ暑い日も多いですが、秋を感じるような涼しい日も増えてきたように思います。
夏の終わりがすぐそこまで来ているような気がして少し寂しいですね。
さて、今回は私の班の担当水槽にウツボがやってきたお話です。
もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は先月、大水槽で暮らしていたウツボたちの引越しをしました。
水槽の引越しの際中、バックヤードで暮らしていた期間があったので、「ウツボマンションがなくなって寂しい」というお客さまの声も届いていたと聞きました。
なので、「今は沿岸水槽で見られます!」と声を大にしてアピールしていこうと思います。
現在沿岸水槽にいるウツボは 3種類です!
これまでのウツボの話シリーズではいわゆる、ウツボ(Gymnothorax kidako)についての紹介がメインだったのですが、今回は沿岸水槽に引越してきた 3種類のウツボについてご紹介します。
まずはアミウツボ(Gymnothorax minor)です。
水槽内で最も数の多いアミウツボは現在 20匹います。
流木や蛸壺からたくさんのアミウツボが頭を出しているようすを観察することができます。
吻先は少し丸みを帯びていてかわいらしい顔つきです。
前回の日誌でウツボの歯を紹介した時に出てきた、上顎の前方中央部に生えた鋭い歯。
それがアミウツボにはありません。
通常は水深 100mくらいのやや深所にいる種ですが、スキューバダイビングでも十分観察可能な、水深 20mくらいにいることもあるようです。
先輩のYトリーターは水深 20mくらいから釣りあげたことがあると言っていました。
次にサビウツボ(
Gymnothorax thyrsoideus)です。
サビウツボはこの水槽の中でアミウツボに混じって1匹だけいます。
なんといっても特徴的な眼をしていて、黒目の周りが真っ白です。
ちょん、と小さな瞳に見つめられたらもうたまらなくかわいいですよね。
この眼の特徴は他のウツボにはあまり見られないので、みなさんもすぐに見分けることができると思います。
3種類目はコケウツボ(
Enchelycore lichenosa)です。
みなさん他のウツボと比べて顔つきが違う、と感じられたのではないでしょうか?
()の中の学名まで読んでいた方はお気づきかも知れませんが、コケウツボは先述した 2種とは属が違います。
アミウツボとサビウツボはウツボ属(
Gymnothorax)でしたが、コケウツボはコケウツボ属(
Enchelycore)に属します。
両顎が細長く、湾曲しているため口を完全に閉じることができないのが大きな特徴です。
“えのすい”にいる他のコケウツボ属のウツボにはトラウツボがいます。
スラっとした顎とそこから見える鋭い歯がとてもカッコいいです。
沿岸水槽で、より近くじっくりと観察することができるようになったウツボたち。
まずは「アミ・サビ・コケ」でそれぞれのウツボの違いをお楽しみください。
これからどんどん改良させていきますので楽しみに待っていてくださいね。
バックナンバー
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2020/07/17 ウツボ好きトリーターのウツボの話]
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2020/09/09 ウツボ好きトリーターのウツボの話 2]
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2020/10/09 ウツボ好きトリーターのウツボの話 3]
[
2021/01/17 ウツボ好きトリーターのウツボの話 4]
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2021/02/01 ウツボ好きトリーターのウツボの話 5]
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2021/07/09 ウツボ好きトリーターのウツボの話 6]