ついに! ハナヒゲウツボの展示、再開です!!
「え、“再開”?」「いつの間に展示していたの??」と思った方も多いはず。
実は先月、太平洋 暖かい海のサンゴの水槽にハナヒゲウツボを展示していました。
ハナヒゲウツボといえば、色鮮やかなリボンのようなひらひらの長い体と、上顎の先端から突出した葉状の皮弁が特徴のウツボです。
ダイバーからの人気も高く、まさに暖かい海のアイドル的存在です。
その人気から、日本各地で飼育している水族館は多くウツボの中では認知度もあります。
しかし、飼育下のハナヒゲウツボが岩の下に潜っていることはあっても、砂地から顔を出しているようなようすを展示しているところはあまり見たことがありません。
全身をくねらせてひらひらと泳ぐようすは、まるで龍が舞っているかのような美しさですが、より自然の状態に近い、砂地の巣穴から頭をのぞかせてじっと獲物を狙う姿を展示でお見せしたいと思い、かねてよりハナヒゲウツボの展示を目論んでいました。
まずは水族館にやって来たハナヒゲウツボが冷凍の餌と巣穴に見立てた配管に慣れてくれるよう、バックヤードでしばらく飼育を続けていました。
そして畜養すること 3か月…。
順調に環境に慣れてくれ、餌もよく食べるし巣穴に見立てた配管にも難なく入ってリラックスしてくれるようになりました。
そしていざ展示へ!! と 6月に太平洋 暖かい海のサンゴ水槽にデビューしました。
えのすいでは久しぶりのハナヒゲウツボの常設展示に、注目が集まっていました。
展示水槽でもよく餌を食べ、巣穴の配管にも入り、状態の安定している素晴らしいハナヒゲウツボだったのですが、なんとある日、水槽内で怪我を負ってしまいました。。。
展示期間、たったの 12日間…
私の水槽内ウツボ対策が甘かった… ひたすらに反省です。
そしてハナヒゲウツボ、本当にごめんなさい。。
しかし不幸中の幸いか、発見が早かったこと、怪我をしたのが尾部の先端だったことから、奇跡的に一命をとりとめてくれました。
麻酔で鎮静をかけバックヤードで治療処置をしている間は生きた心地がしなかったのですが、魚の生命力はすさまじく、心配していた怪我からの細菌感染もなく、そこからまた安定して餌を食べてくれるまでに回復しました。
この個体は本当に優秀なハナヒゲウツボです。めちゃくちゃ偉い…!
バックヤードで一緒に心配してくれていた他のトリーターと「ハナヒゲちゃん偉いね、天才だね、かわいいねぇ」と、つい声をかけながら見守り、ついに展示再開の時が来ました!
奥のリュウキュウキッカサンゴの下からにょきっと出ているのが怪我をしていたしっぽです。
再び展示に戻ってくることができて本当に良かったです。
今後もハナヒゲウツボの健康に気を付けながら展示を続け、みなさまにより自然に近い姿を観察していただきたいと思います。
ぜひ、めちゃ優秀なハナヒゲウツボに会いに来てくださいね。
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